ある日の<俺> 6月23日。 夏至の日の塩麦茶と蜂蜜レモン
今日は一日肉体労働。いや、基本的にいつも肉体労働なんだけども。
隣町の寺の、広い庭の竹垣の補修。その応援要員というか、お手伝いというか。
親方に言われるまま、縦半分に切った竹材を押さえたり(竹を割ったような、っていう喩えがあるけど、竹って、本当にぱっかーんと真っ直ぐに割れるのな)、麻紐みたいなのを結んだり、緩んだ部分を補強したり。
蒸し暑かった。
塩麦茶、がんがん飲んだのに、全然トイレに行きたくならなかったのが凄い。全部汗になって出て行ってたんだろうなぁ。
そして十時の休憩時間。この間の面会日に、元妻と暮らしている娘のののかが作ってきてくれた蜂蜜レモン食べてる。
──パパ、夏はお仕事でいっぱい汗かくっていってたから。でんかいしつ? が不足になったらからだに悪いんだって。だから、これ。食べてね。
くう。美味い。冷えたビールよりも、チューハイよりも、どんな甘露よりも美味い。
ののか。パパ、頑張るからね!
・・・え? 親方? ちょっと欲しいって? 美味そうだって、当たり前じゃないですか、娘の手作りですよ! もう、しょうがないですね、一切れだけですからね。
それから一頻り、親方に娘自慢をした。親方んちは息子さんしかいないらしく、えらく羨ましがられた。
ふっふっふ。力がもりもり湧いてきたぞ。
蒸し暑い空気にも、俺は負けない! ここに断言しよう! 娘に応援されてる父親は、無敵だ。
・・・
・・・
ま、ちょっとだけ暑いかもしれない。ちょっとだけね。