ある日の<俺> 4月9日。 松ぼっくり地蔵
2011年の4月に書いたものです。
とりとめもないことを考えながら、ぼーっと道を歩いてた。
震災のこととか、津浪のこととか、
・・・原発事故のこととか。
一昨日深夜、また大きな余震があった。日本の国はこれからどうなっていくんだろう・・・
てなこと考えてたら。
「痛っ!」
頭頂部に衝撃が。何だ? 何があったんだ? もしや、地震?
あまりの痛さに若干、涙目になりながら、原因を探してたら、足元に落ちてた。
でっかい松ぼっくり。
子供・・・いや、小柄な女性の握りこぶしくらいあるだろうか。とにかく大きい。そういえば、このお寺の塀の向こうに松の大木が生えてたっけ。予期しないことだったとはいえ、自分の慌てっぷりに苦笑しつつ、松の木を見上げたら。
高い塀の上に、何故か松ぼっくりが行儀良く並んでた。そっくり同じ大きさのが五つ。
そいつらが、じっとこちらを睨んでいるように見える。足元には、さっき俺の頭を直撃した松ぼっくりがひとつ。──もしかしたら、ここから落ちてきたのかな? それだったら六つ並んでたってことになるな。何だかお地蔵さんみたいだ。
・・・
・・・
詮無いことを鬱々と考え込んでた俺だったけど、そんな自分を、松ぼっくりに叱られたような気がした。