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ある日の<俺> 3月19日。 月に思う
2011年の3月19日に書いたお話です。
すっかり暗くなった道を急ぎながら、ふと東の空を見る。
月が、きれいだなぁ・・・
先週、平成二十三年三月十一日。東北地方で発生した未曾有の大震災。
──天災だから、しょうがない。
そう考え、納得するしかないことは分かってる。日本は、昔から数え切れないほどの自然災害にさらされてきた国だから。だけど、だけどやっぱり思ってしまう。津浪さえなければ、と。
自衛隊の皆さん、消防の皆さん、警察の皆さん、海保の皆さん、そのほか、被災地のために頑張ってくれている人たち、ありがとう。原発が怖いことになってるけど、現場で事態収拾に当たってくれている人たち、ありがとう。
俺は、義捐金を寄付することくらいしか出来ないけど・・・
月が、きれいだ。
被災地の人たちも、この同じ月を眺めているんだろうか。