ある日の<俺> 11月26日。 光学迷彩猫。
朝晩がぐーんと寒くなって、銀杏並木がきれいな黄金色を見せるようになった。晴れた日なんかは、まるで輝くように美しい。
美しい。見てるぶんには。
──なんたって、本日のメインの仕事は落ち葉掻き。
はらはらわさわさ大量に落ちてくる葉っぱは、下のほうが昨日の雨のせいで湿っていて重い。かなり力がいる。背中にじわりと滲む汗。後でよく拭いておかないとな。
そんなことを考えながら、ぼーっと落ち葉を掻き寄せてたら・・・
「うわっ!」
俺は腰を抜かしそうになった。何でって、いきなり落ち葉の塊が跳ねて飛び出して・・・え? 落ち葉の妖怪? 落ち葉が命持っちゃった?
怖いのに目が離せず、じっと見つめる。と同時に、力が抜けた。それが何か分かったんだ。
猫だ。三毛柄の。落ち葉の黄色と太陽の織り成す光と影、それが三毛柄にマッチ(?)して、まるで天然の光学迷彩。
ったく、驚かしやがって、このプレデターキャットめが。
そういう実際の猫画像を見て、思いついた話です。
その画像では、しばらく目を凝らして見ないと、どこに猫がいるのか本当にわかりませんでした。きっとあの猫がプレデターのモデルなんです。そうに違いありません!
…などと、書きたくなるほど、彼女の迷彩は完璧でした。