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ある日の<俺> 7月18日。 熱中症には懲りた、はず。
風呂上り、腰に手を当てて冷えたポンジュースをごくごく飲んでいたら、元義弟の智晴から携帯に電話が掛かって来た。
開口一番言われたことは。
──エアコン、ケチってないでしょうね?
だった。・・・一昨年、熱中症で倒れて以来、俺はこの件に関して信用されていない。元妻からは五月頃からメールで注意されてたし、このボロビルの家主の友人は、家賃を持って行くたびちゃんとエアコンを使ってるか確認を取ってくる。
「ケチってない! ガンガン使ってるからから!」
──ガンガン、ねぇ。
わざとらしい溜息が聞こえる。
──ともかく、大人なんだから、自分の体調くらい把握しておいてくださいね。
言うだけ言って、通話は切れた。
「・・・」
俺、無言。何も言えない。あの時は迷惑掛けたからなぁ・・・
しみじみ反省しつつ、俺は風呂入ってる間切ってたエアコンのスイッチを入れた。