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ある日の<俺> 6月3日。 雹が降る!
空が真っ黒になってきたんで、ヤバいなぁ、と思ってたら。
雹が降ってきた。
関係ないけど、豹だったら怖いよな。
なぁんて、プチ逃避してみる。だってさ、傘に穴が開いたんだ。確かにこれ古くて布地も痛んではいたけど、三つも貫通することないじゃないか、雹め。お陰で、傘がただのゴミに・・・
だからって、その辺に捨てていくわけにもいかないし。
バス停の小さな屋根の下で途方に暮れる俺。これから窪田さんちまで行って、四月から一年生になったばかりの祐介くんをソロバン塾まで送って行かないといけないのに・・・
痛! 当たると痛い。やっぱりまだ屋根の下から出られない。雹が止むまで、もう少し待つか。