表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

223/520

ある日の<俺> 4月13日。  居候猫は野良猫の夢を見るか

昼間暖かかったのに、夜になると急に冷える。背中にぶるっと来たんで、思わずこたつに入ってしまった。・・・今月中に片付けられるかな、これ。コンクリートの床、冷えるからなぁ。


居候の三毛猫は、もっと前から中にもぐってたみたいだ。けど、最弱でもこたつのスイッチ入れたら暑くなってきたんだろう、ごそごそと出てきてこたつ布団の上で丸まってる。


いいなぁ、猫は。


気持ち良さそうな寝顔に、ふう、と息をつき、俺はノートパソコンに本日の依頼内容とか売り上げ(っていうのかな、報酬?)とか、必要経費とか、所要時間とか、そういう細々したものを打ち込んでいた。


こういうのは、マメにやらないと後々却って面倒だからなぁ。元々、事務仕事は嫌いじゃないし。


しばらくキーボードをカタカタやって、明日の予定を確認したりして、さてコーヒーでも飲むか、と立ち上がろうとした時。


ふみぃ、とか、ふにゃあ、とかいう声が。


どうした、三毛猫。目が覚めたのか? そう思ってそっちを見ると、さっきと同じ格好でまだ寝てる。変なやつ。


と。


ふにゃ、ふにゃにゃにゃにゃ! ふにゃにゃにゃにゃ!


──もしかして、夢見てんのか? 三毛猫よ。 しかも、悪夢? 魘されてるみたいだし。しょうがねぇなぁ。


妙な声を上げつつ、なおも眠ったままの三毛猫の頭を、ぽん、と軽く叩いてみる。すると。


はっ!


そういう擬音が聞こえてきそうなほど、びっくりした様子で眼を覚ます三毛猫。きょろきょろ周囲を見回すと、おもむろに毛づくろいを始める。心を落ち着けるためか?


話には聞いてたけど、猫もやっぱり夢見るんだな。初めて見たけど・・・コーヒー飲んでたら、絶対吹いてたぞ、おい。


ウケた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
□■□ 逃げる太陽シリーズ □■□
あっちの<俺>もそっちの<俺>も、<俺>はいつでも同じ<俺>。
『一年で一番長い日』本編。完結済み。関連続編有り。
『古美術雑貨取扱店 慈恩堂奇譚』古道具屋、慈恩堂がらみの、ちょっと不思議なお話。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ