ある日の<俺> 4月13日。 居候猫は野良猫の夢を見るか
昼間暖かかったのに、夜になると急に冷える。背中にぶるっと来たんで、思わずこたつに入ってしまった。・・・今月中に片付けられるかな、これ。コンクリートの床、冷えるからなぁ。
居候の三毛猫は、もっと前から中にもぐってたみたいだ。けど、最弱でもこたつのスイッチ入れたら暑くなってきたんだろう、ごそごそと出てきてこたつ布団の上で丸まってる。
いいなぁ、猫は。
気持ち良さそうな寝顔に、ふう、と息をつき、俺はノートパソコンに本日の依頼内容とか売り上げ(っていうのかな、報酬?)とか、必要経費とか、所要時間とか、そういう細々したものを打ち込んでいた。
こういうのは、マメにやらないと後々却って面倒だからなぁ。元々、事務仕事は嫌いじゃないし。
しばらくキーボードをカタカタやって、明日の予定を確認したりして、さてコーヒーでも飲むか、と立ち上がろうとした時。
ふみぃ、とか、ふにゃあ、とかいう声が。
どうした、三毛猫。目が覚めたのか? そう思ってそっちを見ると、さっきと同じ格好でまだ寝てる。変なやつ。
と。
ふにゃ、ふにゃにゃにゃにゃ! ふにゃにゃにゃにゃ!
──もしかして、夢見てんのか? 三毛猫よ。 しかも、悪夢? 魘されてるみたいだし。しょうがねぇなぁ。
妙な声を上げつつ、なおも眠ったままの三毛猫の頭を、ぽん、と軽く叩いてみる。すると。
はっ!
そういう擬音が聞こえてきそうなほど、びっくりした様子で眼を覚ます三毛猫。きょろきょろ周囲を見回すと、おもむろに毛づくろいを始める。心を落ち着けるためか?
話には聞いてたけど、猫もやっぱり夢見るんだな。初めて見たけど・・・コーヒー飲んでたら、絶対吹いてたぞ、おい。
ウケた。