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ある日の<俺> 3月15日。  木の芽時に現れる

隣の町に変態が現れたらしい。


「なんでも、コートの下は全裸で、後は靴と靴下だけらしいのよ」


教えてくれたのは、この四月から小学三年生になる智香子ちゃんのお母さん。今日はピアノ塾への送り迎えを引き受けたんで、迎えに来たんだけど。


「そ、それは・・・スタンダードな変態ですね」


絶句しそうになりつつ、辛うじて言葉を搾り出した俺に、そうでしょう、と頷いてみせる智香子ママ。


「しかも、目撃者の中には中学・高校の子はいないの。狙われるのは小学生の女の子ばかりなのよ。間違いないわ、ロリコンの変態なのよ」


この町ではまだ目撃例はないが、万が一を考え、PTAと町内会の有志で人気が無さそうな場所を重点的にパトロールすることになったんだという。


俺は<何でも屋>という仕事の性質上、犬の散歩とか買い物とか、とにかく外を歩くことが多いんで、ついでに不審者にも注意することを約束した。


智香子ちゃんと手を繋ぎ、一緒に楽しくプリ○ュアの歌など歌いつつ、ピアノ塾に向かって歩きながら、俺はぼんやりと考えていた。


春、なんだなぁ・・・


・・・

・・・


ま、とにかく! コートの中身を見せられた日には、女の子たちにはトラウマものだろうから、見つけ次第血祭り、じゃなく! すぐ警察を呼べるようにしておこう。


そうだな、後で派出所に寄っていくとするか。


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□■□ 逃げる太陽シリーズ □■□
あっちの<俺>もそっちの<俺>も、<俺>はいつでも同じ<俺>。
『一年で一番長い日』本編。完結済み。関連続編有り。
『古美術雑貨取扱店 慈恩堂奇譚』古道具屋、慈恩堂がらみの、ちょっと不思議なお話。
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