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ある日の<俺> 3月29日。 絆創膏とお菓子
不思議だ。
ついこの間まで蕾だったのに、桜が満開、とまでは行かなくても、七部咲き、八部咲きになっている。
きれいだなぁ、と思いながら歩いていたら、何に躓いたものか、派手に転んでしまった。ちょっとした擦り傷だけですんだのはありがたいが、公園ランチのOLさんたちに笑われた…… いいトシをして、恥ずかしい。
笑って誤魔化しつつ、速やかにその場を立ち去ろうとしたのに、親切な彼女らは俺を呼び止め、絆創膏とお菓子をくれた。俺は小さな子供と同じ扱いか。うう。
でも、もらったお菓子は美味かったな。ののかにも食べさせてやりたい。どこで売ってるんだろう?
それにしても、女の人たちはいつもどこからか手品のようにお菓子を出してくるなぁ。あれも不思議だ。




