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ある日の<俺> 12月11日。 銀杏色の雨
降ったり止んだり冬の雨。
道路一面に散り敷いた銀杏の葉が、金色の絨毯みたいでとてもきれいだ。いつまでも眺めていたくなるくらいに。
うん。ホント。
落ち葉かきをしなくていいんだったらな。
竹箒を抱え、俺は思わず溜息をつく。始める前から戦意喪失。水を含んだ落ち葉ってのは、重いんだよ。雄株ばかりだから、あの強烈な実の臭いをかがなくていいことだけが救いだ。
今日の雨で、葉は全て落ちた。ここの落ち葉かき、今日さえ頑張れば今年の分は終わりだ。がんばれ、俺。負けるな、俺。