ある日の<俺> 11月19日。 ひとりカラオケは寂しい・・・
「ひとりカラオケ」は嫌だけどカラオケ行きたい、という依頼を受け、昼間歌い放題のカラオケボックス行って来た。
依頼人の和久井さん、休みが不規則なので、友達と遊ぼうにも予定が合わないという。
「ストレス解消したいんだ!」
拳を握り締める和久井さん、・・・お疲れなんですね。分かりました、心をこめておつき合いいたしましょう。
チャゲアスですか。まあ、何とかなるでしょう。
銀恋? 渋いですね。
エグザイル? すみません、一曲くらいしか知らないかも。
スマップ・・・知ってる歌も、あるかな?
ぱひゅーむ・・・? ちょっと難しいと思います。
愛国行進曲? 古っ! いや、大丈夫です。大学時代、教授と歌ったことがあります。
モンテンルパの夜はふけて、って、お若いのに、良く知ってますね。
最後は『マイ・ウェイ』を歌い上げた和久井さん、ご満足いただけましたでしょうか。
・・・二人で三時間も歌っちゃったよ。俺、喉枯れそう。和久井さんは余裕だけど。本当に好きなんだなぁ。
俺は次の仕事があるので、店の前で別れた。和久井さんは鼻歌を歌いながら上機嫌で帰っていく。
けど。
何でそこで『誰も寝てはならぬ』(だったかな? フィギュアスケートの曲に使われてたから、俺でも知ってる有名なオペラ?の曲)なんだろう。彼のレパートリーの広さは、謎だ。