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ある日の<俺> 10月24日。 元は渋柿合わせ柿。

ご近所の元気なご老人、一枝さんに頼まれて、照明器具の付け替えをした。


といっても、当然ながら電気工事は出来ないので、古いのを差し込み口から抜いて、新しいのを差し込み、固定させただけだけど。


ついでにトイレの古い電球も交換してあげたら、奥さんが「合わせだけど・・・」と言いながら、柿をくれた。


柿色というよりも、黄色味がかった大きな柿。

それを食べた俺は今、海よりも深く後悔している。


甘いけど、渋いんだよ・・・。口の中の粘膜がざらざらになったみたいな、突っ張って縮んだみたいな、えぐいというか、何というか。


──あと、せめて三、四日くらい寝かせてから召し上がってね。


にっこり笑って教えてくれた奥さんの言葉を、軽く考えてた数分前の俺を殴ってやりたい。元は渋柿なんだから、熟成するのを待たなきゃならなかったのに・・・


うがいをしても、お茶を飲んでも、コーヒーを飲んでも治らない。


渋い。渋いぞ。口の中が渋い。水を飲んでも、コーヒーを飲んでも、治りゃしない。どうすりゃいいのさこのワタシ。夜に開くほどの夢なんか持ってない。


食い意地の張った己を、呪うしかないのか・・・。


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□■□ 逃げる太陽シリーズ □■□
あっちの<俺>もそっちの<俺>も、<俺>はいつでも同じ<俺>。
『一年で一番長い日』本編。完結済み。関連続編有り。
『古美術雑貨取扱店 慈恩堂奇譚』古道具屋、慈恩堂がらみの、ちょっと不思議なお話。
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