ある日の<俺> 4月16日。 喚いても、無駄無駄無駄無駄ァ!
薄いカーテンの向うが、ごくごくうっすらと白む頃。
ぽかり、と目が覚めた。
あれ? 何でだ。トイレ行きたいわけでもないし・・・などと思ってる間に、来た来た来たァ!
「~~~~~!!!!」
あまりの痛さに声も出ない。いや、出しちゃいけない。でないと、喚いてしまう。それくらい、痛い。
こむら返りだ。
右足の脹脛が、ありえないくらい引き攣ってる。ぐぅっと凹んでる筋肉。動けない、動かせない。汗ばみ震える手を伸ばし、やっとのことで右足親指を掴む。反らせるように引っ張ってみるも、効果無し。
「#%&*△□※αΩ~~~~!!!」
耐える。ただ、じっと耐える。
来た時と同じに、唐突に痙攣が去った。ようやく息をつく俺。残る鈍痛。額にじっとりと汗が浮かぶ。多分、一分にも満たない時間だったんだろうが、永遠に続くか思ってしまった。大袈裟だけど。
「・・・」
無言で足をさすりながら、思う。寝てる間にこむら返りになる時、何でいつもその直前に目が覚めるんだろう。何度も経験した地獄の痙攣だが、始まってから目が覚めたことは皆無だ。
しばらくして、ようやく落ち着いた。ついでに、眠くなった。そりゃそうだ、起床時間まではまだ数時間ある。俺は速攻枕に懐いた。
寝坊した。
すまん、伝さん。急ぎたいけいけど俺、今朝は走れない。自転車で行くから、ちょっと待っててくれ。