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ある日の<俺> 4月9日。 星と蒲公英
緑萌える草地の中に、点々と咲くタンポポ。ここのは地に這うように茎が短いから、鮮やかな黄色の花だけをいっぱいに散りばめたみたいに見える。
──お星さまみたい!
ののかの、はしゃいだ声を思い出す。春休み中、元妻は娘との面会日をいつもより多くしてくれた。けど、学校が始まったから・・・
「はぁ・・・」
長期休みが終わったら、親はほっとするもんだっていうけどさ。俺はたまにしか会えないからさ。
タンポポ摘んで、ツクシも摘んで、楽しかった春休み。
次は、シロツメクサ摘みに行こう。うん。
さ、仕事、頑張るぞ!