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ある日の<俺> 3月30日。 弟は姉に似ていました

まだいっぱい花をつけているガーデンシクラメンが、へにょりん。

めいっぱい太陽の方を向いてほこほこしてたデージーが、へにょりん。


へにょりん、って言ったのはののかだけど。


ここ数日、天気が良くて太陽の眩しい日が続いていたのに、うっかり水遣りを忘れた、とまではいかないが、量が少なかったようだ。


春休み中のののかがせっかく遊びに来てくれたのに(引率?はいつものごとく元義弟でののかの叔父の智晴だ)、彼女の楽しみにしていた俺の屋上庭園(屋上プランター野菜畑ともいう)がこのていたらく。──智晴の呆れたような溜息が、イタイ。


「パパといっしょに、お花に水遣りしようか。これ、ののか用の如雨露だよ」


ぱっ、と明るくなる娘の顔。それに目を細めつつ、元義弟の反応にびくつく俺。何でびくつかないといけないんだよ、と内心で呟いた途端、じろりとこちらを見やる智晴。何でだろう。何で怖いんだろう。


・・・智晴って、やっぱり元妻と似てるよな。きょうだいだもんな。


「しゃんとしなさいよ!」と、男女の声がアシュラ男爵のごとくユニゾンで聞こえた気がした。


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□■□ 逃げる太陽シリーズ □■□
あっちの<俺>もそっちの<俺>も、<俺>はいつでも同じ<俺>。
『一年で一番長い日』本編。完結済み。関連続編有り。
『古美術雑貨取扱店 慈恩堂奇譚』古道具屋、慈恩堂がらみの、ちょっと不思議なお話。
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