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ある日の<俺> 3月29日。 だから~猫柳~♪
遠くに見える織田さんちの庭は、雪柳で真っ白に見える。きれいだなぁ、と思いつつ、ふともひとつ手前の長尾さんちのフェンスを見ると、そこからも雪柳の花房がはみ出している。
ん?
俺は思わず立ち止まって凝視してしまった。風もないのに、動いてる? ゆーらゆら。何だ、あれは。新種か? 実はキュー植物園から歩いて来た怪奇な三つ又植物なのか?
・・・よく見てみたら、何のことはない。白い野良猫が花房の向こう側で毛づくろいしただけだった。これが「幽霊の正体見たり」というやつか。枯れ尾花じゃなくて猫と雪柳だけど。
はっ! これがホントの猫柳ってやつか?
なんてな。いかんいかん。オヤジギャグばっかり言ってると、ののかに怒られるなぁ。