ある日の<俺> 3月26日。 渋茶とラングドシャ
午前中は神崎の爺さんの将棋の相手。午後は大仏(だいぶつ、ではなく、おさらぎ、念のため)のご隠居の囲碁の相手。
今日もやたらに寒かったんで、ぬくぬくのこたつやら熱い渋茶、煎餅付きの室内で過ごせるのはありがたかった。早朝は犬の散歩、夕方から夜にかけては子供の塾の送り迎え。昼間、たまにはこんなふうに暖かく過ごしてもバチは当たるまい。
将棋にしても、囲碁にしても、俺、一応指せるだけで全然強くないんだけど。
たまに頭の中でルールがこんがらかるせいか、今日も両方で妙な手を指してしまった。そう、ただ単に妙なだけなんだ。それなのに、神崎の爺さんも大仏のご隠居も、何であんなに発奮するかなぁ? ご老体に闘志を燃やされても。
海苔煎餅とラングドシャ。嗜好品は全然違うのに、目に宿る光は<勝負師>のそれ。
怖いよ、爺さんたち。
ま、いいけど。それで元気になってくれるなら。
・・・小腹がすいたからもらったラングドシャを食べようと思ったんだけど、うっかりお茶いれちまった。もう包み破いちまったし、ま、いいか。コーヒーだとどっちでも合うんだけどな。
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うーん。渋茶とラングドシャ、そう失敗でもないか。