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ある日の<俺> 3月8日。 首輪抜けされ溝にはまる
散歩中、首輪抜けしたダックスフントのダークくんを追いかけてたら、溝にはまった。それだけならまだいいが、底には水と泥が溜まってた。
足首まで泥水に浸かり、水飛沫とともに思わず情けない叫び声を上げる俺。
その声に反応してか、戻ってきてくれたダークくん。溝に片足突っ込んだまま尻餅ついてる俺のほっぺたを、心配そうに舐めてくれた。
尻尾、ふりふりふり。
お陰で無事首輪を付け直せたが、──冷たい。足、冷たい。
機嫌のいいダークくんを連れ、とぼとぼと散歩の続きをしていると、なんとなく『雪山賛歌』が口をついて出た。
『雪山賛歌』は、是非ダークダックスの歌声で。