ある日の<俺> 1月15日。 チラシ代わりのポケット・ティッシュ
何でこんなに寒い日が続くんだ。冬だからか。
川原さんちの天井照明を換えに行くのに、自転車に乗ってたらハナが出た。手袋忘れるし、寒さで脳味噌まで凍ったかな。
あー・・・
こういう時ありがたいのが駅前で配ってるティッシュ。テレクラのだろうが新しく出来たヘアサロンのだろうが、キャバクラのだろうが気にしない。ティッシュはティッシュだ。
ん? これ、ホストクラブのじゃないか? 見境無く配るなよ、新入り(なんだろうな)の兄ちゃんよ。俺のどこが女に見えるんだ。
・・・その時、ぞくっと寒気がした。
去年、使い物にならなくなったアダプタの代わりを譲ってもらうために、女装させられたことを思い出したんだ。
くっ・・・! 芙蓉め・・・!
いつかぎゃふんと言わせたい(死語か?)が、返り討ちに遭いそうなので、やっぱり彼/彼女には近寄らないようにしよう・・
芙蓉…日向芙蓉。女装の麗人。女装が好きなだけ。男装の時は美男。双子の弟
とは瓜二つ。
『一年で一番長い日』において変装のために<俺>を女装させて以来、
その美女ぶりが気に入り、隙あらば<俺>に女装させようとする。