106/520
ある日の<俺> 1月2日。 書道は初段
今日は元から何の予定もなく、寝ていられるはずだったんだが、急な依頼が入ったので出かけた。
どんな依頼かって、年賀状書き。元日に着た年賀状のうち、自分が出してない分を書こうというところで、利き手の甲を圧迫骨折したらしい。依頼主の小野田さん、廊下で転びかけて手をついたのが運の尽きだと笑っていたが、新年早々運を尽かしちゃいかんだろう。そこは「運が付いた」って言わなくちゃな、うん。
・・・シャレじゃないぞ。
小野田さんの年賀状は毎年手書きだという。手を痛め、独り暮らしで他に代わりに書いてくれる人もおらず、困っていたところ、何でも屋である俺を思い出してくれたらしい。
さて。高校の選択科目で取った書道初段の腕の冴え。披露いたしますか。