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黄泉夜譚 ヨモツヤタン  作者: 朝里 樹
用語集・各話あらすじ
2/206

各話あらすじ

各話のあらすじです。一話完結型なので、興味のある話から読んでいただければ幸いです。一話毎に追加していきます。

第零話 追憶の闇


 ある死神の独白。プロローグです。


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第一話 死神の少女


 少年、池上恒は夢の中である少女に、自分の身に危機が迫っていることを告げられる。どこかその夢が引っ掛かりながら、いつもの日常を始める恒。しかし彼を狙うものは存在した。逢魔刻(おうまがどき)、鬼と呼ばれるものたちに襲われる彼の前に、死神を名乗る少女が現れた。


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第二話 異形のもの


 人は自然を切り開き、動物や妖の住む世界を奪って行く。美琴は街に起こる異変から、かつて森に封じられた妖怪が人間たちの手によって解放されたことに気付く。人間への復讐心を胸に、その異形のもの、大百足(おおむかで)は人の街へと侵攻を始めていた。


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第三話 おにさんこちら


 二十年前世間を騒がせた都市伝説「トイレの花子さん」。その噂が連続する児童失踪事件とともに、再び流行り始めていた。どうして花子は再び現れたのか。かつて花子の霊を探し出すことができなかった美琴は、二十年以上の時を経て、決着を付けるために動き出す。


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第四話 硝子のオルゴール


 とある日、美琴の屋敷に青山という名の人間から幽霊騒動を解決してほしいという内容の手紙が届く。美琴らはその依頼人の元に赴くが、そこには血で隠された凄惨な事件が眠っていた。


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第五話 摩天楼の想い


 黄泉国の屋敷のもとに、美琴の古い友人である郭が現れる。(さとり)という心を読む能力を持ったその妖は、その能力を活かし人間界で芸能人として活躍していた。郭は美琴を人間界に誘うが、断られる。だが、郭が彼女を誘ったのにはあるひとつの想いがあった。摩天楼を舞台に様々な想いが交差する。


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第六話 宇宙からの不明物体


 美琴の元に使える妖怪、火車である良助はある夜、不定形の生物に襲われる。それを撃退し、体の一部を持ち帰った結果、それは「スライム」と呼ばれる地球外生命体であり、放って置けば無限に生物を消化吸収し、巨大化していくことが判明する。良助たちはスライムを倒すために人間界に赴くが、同じくスライムを捕獲しようと狙う人間たちが現れる。


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第七話 死神のつくり方


 世界に絶望し、自殺を試みた少年、峰雄。彼はマンションの屋上から飛び降りたにも関わらず、無傷で地面から起き上がる。そして、その体が以前のものとは変わっていることに気がつく。その頃、美琴のもとにセリナというフランスの死神がやって来て、欧州から逃げ出したとある吸血鬼が日本に隠れていることを告げる。


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第八話 異界列車


 いつもの電車に乗ったはずなのに、眠りから目覚めると電車は見知らぬ土地を走っており、慌てて駅に降りればそこは「きさらぎ駅」という名の駅。そして、その駅は異界へと続いている。そのまま進んでしまうと、その者はかつて起きた事件により異界と化した村「杉沢村」に捕われ、二度と帰ることはできなくなる。その村でかつて起きた凄惨な事件とは。


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第九話 正義の資格


 妖怪を悪と憎み、自らを正義と信じる陰陽師が木久里町に現れる。次々と殺され、恐怖に怯え、家族を失って行く妖怪たち。死神は陰陽師と対峙し、その正義を問う。


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第十話 青空の座敷童子(ざしきわらし)


 花子はとある田舎町で加代と名乗る座敷童子と出会う。彼女はかつて人間だったころの親友の家に幸福を与えていたが、もうすぐその家を出なければならなくなったと語る。だが、ある理由によって加代はその家を離れられずにいた。数十年の時を経た人と妖の物語。


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第一一話 霧の向こうから聞こえる


 日暮岬には、一年に一度だけ海原が濃い霧に包まれる時期がある。日暮町に住む元灯台守は、その時期になると岬へと赴き、霧笛を鳴らす。それは霧の向こうからやって来る、懐かしい友へ聞かせるメッセージ。


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第一二話 鬼哭の古道


 美琴、恒、小町の三人は、小町の故郷である夢桜京へと赴くため境界を歩く。その道中のにある旅籠(はたご)の近くでは、偶然にも境界への入り方を見つけてしまったある一人の人間が、人間たちに見つかっていない境界という空間を利用し、犯罪を犯していた。忘れられた古道の果て、救われぬ死者の慟哭はやがて妖怪「がしゃどくろ」へと姿を変える。


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第一三話 夢桜の京


 近畿地方に繋がる最大の異界、夢桜京。恒は小町に連れられて彼女の実家に赴き、美琴は自分と同じ異界であり、旧友でもある白面金毛九尾の狐、玉藻前(たまものまえ)の元へと向かう。千年を生きる二体の(あやかし)は、互いの懐かしい過去を語り合う。



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第一四話 妖の血


 夢桜京に現れる黒い影。かつて美琴や玉藻前と戦い、敗れ、主を失った妖怪たち、それが鬼族。千年続く鬼族との争いは未だに続いており、恒の両親もその戦いの中で死んだ。茨木童子を頭とした彼らは美琴や恒を葬るため、夢桜京に現れる。そして追い詰められたとき、半妖怪である恒の妖の血が覚醒する。



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第一五話 怨恨の彼方


 雨が降り、子供が消える。雨の日だけに起こる児童失踪事件。それは子供たちの間で都市伝説「ひきこさん」の仕業だと噂されていた。小学校教師、山崎はその名からかつて小学校でいじめられていた(もり)姫妃子(ひきこ)という生徒を思い出す。そして、現在の小学校でいじめられている少年、洋一郎の前に、妖怪ひきこさんは姿を現した。人間「森姫妃子」はなぜ、妖怪「ひきこさん」となったのか。山崎、洋一郎、そして美琴を通し、その過去が明らかになって行く。



ーーーーーーー


第一六話 陽炎(かげろう)の記憶


 妖怪火車である良助は、数年前に出会った、発火能力という特殊な能力を持ってしまった人間の少女に、火の使い方を教えていた。少女との交流を通し、良助は妻や娘がいた数百年前の記憶を呼び覚まして行く。良助の過去編、美琴との出会い。



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第一七話 青柳恋慕(あおやぎれんぼ)


 霊体(こころ)を持つのは動物だけではない。人間の男性の恋慕の念を抱く青柳の木霊(こだま)青花(あおか)。種族の違いに悩む彼女に、同じ悩みを持つ小町は協力を申し出る。その一方で、人間界では古椿(ふるつばき)と呼ばれる樹木の妖が人間の男を襲う事件が起きていた。



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第一八話 冷凍凶獣現る


 ある日、一夜にして東京が雪と氷に覆われた。それはある一体の怪物によって引き起こされたものだった。その前日、とある工事現場において太古の生物の組織が発掘されていたが、それは過去幾度も世界を危機に陥れてきた怪物レプティリカスの心臓。異常な再生能力により現代に復活を果たした冷凍凶獣は、本能のままに暴れ始める。



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第一九話 呪詛の渦より


 石仏道を進んだ先、街灯もないその場所に存在する女房ヶ石。それは戦国時代、人々を恐怖に陥れたある妖を封じるために使われたものだった。そして現代、その場所に現れた鬼たちは封じられた妖を利用するため石を破壊してしまう。解き放たれた妖は鬼たちを惨殺し、自身の目的を果たすために進み始める。「ぽぽぽ…」という不気味な声を上げながら……。



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第二十話 潮騒(しおさい)


 真夜中、海辺で酒を飲む三人の若者。その中の一人が肝試しと称し、ある洞窟の中から妖怪「牛鬼(ぎゅうき)」を封じているという水晶玉を持ち帰ってしまう。その四国地方愛媛県、かつて伊予と呼ばれていたその地域は、妖怪針女である朱音の故郷。かつてその海で妹、鈴音を亡くした朱音は、美琴とともに年に一度の墓参りにやってきていた。一人妹の墓石に語りかける朱音の前に、数百年前死んだはずの鈴音が姿を現す。戸惑う朱音に、封印を解かれた妖怪牛鬼が襲い掛かる。朱音の過去編、美琴との出会い。



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第二一話 それでは皆さんさようなら


 自殺、自殺、自殺。東京で巻き起こる謎の自殺の連鎖。人々は理由もなく高所から身を投げ、笑いながら自らの首に(やいば)を突き立てる。空には瘴気が厚く層を作り、自殺は日に日に増えて行く。それはただの偶然なのか、それとも理由があるのか。被害者の共通点としてひとつの自殺サイトが浮かび上がり、そして事件の真相が明かされる。



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第二二話 ババアたちの逆襲


 ババア、ババア、ババア。ババアが跳び、ババアが投げ、ババアが走る!突如として人間界に現れた都市伝説のババア妖怪たちが、大した理由もなく人間を襲い始めた!ターボババアをリーダーとするババアの群れに、美琴たちが立ち向かう!



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第二三話 悪魔のメルヘンカルタ


 この世の全てを見下し、憎んでいる人間の男、坂井。そんな彼の前に悪魔を名乗る異形のものが現れる。悪魔は坂井に、「悪魔のメルヘンカルタ」と呼ばれる六枚のカルタを渡す。白雪姫、赤ずきん、ヘンゼルとグレーテル、人魚姫、不思議の国のアリス、ピノキオの6枚のお伽話からなる六つの絵柄について、悪魔はこのそれぞれには悪が象徴されており、生贄によって全ての悪を解放したとき、坂井は世界を支配する力を得られるのだと語る。


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第二四話 守り手


 仕事に追われ、変化のない日々を過ごす男、馬上。彼はそんな日々の中、かつて子供のころに飼っていた犬のことを思い出す。そして、その馬上の住む家の近くで通り魔事件が起きた時、彼は確かにその自分の飼い犬の姿を夜道に見つけてしまう。自分への恨みから化けて出たのだと考えた馬上は、これ以上罪を重ねさせないため、一人かつての友人へと立ち向かう決意をする。



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第二五話 冬の夜空に月の光


 数十年前、ただのピアノから付喪神へと変化した妖怪、青戸。ずっと昔彼の主人であった女性が日本に戻ってくることを知った彼は、氷柱女である氷雨に相談し、ともにその女性に会いに行くことを決意する。だが、冬の東京へと出た彼らの前にミイラが現れ、二人を襲う。ひとりの付喪神の想いと、そして二度目の生を得たミイラの願い。



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第二六話 輝夜(かぐや)物語(ものがたり)


 千年以上もの昔、月の姫君は地上へと舞い降りた。そこで過ごした、わずかだが大切な時間の中で覚えた感情を、かぐや姫は天へと昇る際に失ってしまった。長い時を経てそれを取り戻すため、かぐや姫は再び地へと降りることを決意する。そして月の境界を抜けた先にあったのは地上の異界、黄泉国だった。



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第二七話 人形十夜(ひとがたじゅうや)(前篇)


 人形たちによって紡がれる、十の夜の怪異譚。命を持った人形たちの目的とは。前篇にて語られるのは、この五つの夜。 

第一夜「メリーさんの電話」

第二夜「アケミちゃん」

第三夜「焼け跡のマネキン」

第四夜「あなたのからだ」

第五夜「命を削る人形」



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第二八話 人形十夜(ひとがたじゅうや)(後篇)


 人形たちによって紡がれる、十の夜の怪異譚。命を持った人形たちの目的とは。後篇にて語られるのは、この五つの夜。

第六夜「三本足のリカちゃん」

第七夜「人を呪わば穴二つ」

第八夜「呪いの市松人形」

第九夜「人形たちの館」

第十夜「生き人形」



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第二九話 散りぬる風のなごりには


 絵描き、穂村正志はある日、友人から桜の描かれた絵を貰う。その夜、絵の中に描かれた女性が彼の前に現れ、何かを伝えようとする。その答えを求め、町を歩く正志。そして夕闇の下、正志は妖怪化した絵に導かれ、黄泉国へと迷い込む。妖怪、画霊となった桜の絵が彼に伝えたかったこととは。



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第三十話 夕暮れの怪人


 夕暮れ時、赤いマントを羽織った男が現れ、子供を攫い、殺人を犯す。何十年も前から語り継がれる都市伝説の怪人が、現代にその姿を現していた。明治、大正、昭和、平成。時代を越えて現れる都市伝説「怪人・赤マント」。通り魔的に殺人を犯す彼の目的と、その過去とは。



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第三一話 悪魔の戯れ


 神族の(みことのり)により出雲へと集められる各異界の領主妖怪たち。そこで天宇受賣命(あまのうずめのみこと)により、各々の異界が繋がる地方に封印された妖怪たちが、異国の悪魔、メフィストフェレスの手によって甦ろうとしていることを告げられる。そして数日後、東北地方からは疱瘡婆(ほうそうばばあ)が、関東地方からは八束脛(やつかはぎ)が、東海地方からは山都(みこしにゅうどう)が、近畿地方からは和坂(かにがさか)の大蟹が、中国地方からは(みつち)が、四国地方からは三目八面(みつめやづら)が、九州地方からはイデモチがそれぞれ甦り、異界領主妖怪たちはそれに立ち向かう。


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第三二話 幸せの白い球


 ある東北の旧家で母から娘へと手渡された桐の箱。その中には、幸せを呼び込むという妖怪、ケセランパサランが飼育されていた。それから約一年、病で母を亡くしたその娘、満春は母の死によって好きだった野球さえやめてしまった弟、勇樹を心配し、ケセランパサランの幸福の力を彼のために使う決意をする。そして彼女は、妖怪に詳しいと噂の恒に相談を持ち掛ける。



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第三三話 錆びた鋏に映るもの



 ちゃきりちゃきりと音が鳴る。血濡れの鋏の音が鳴る。赤い鋏を片手に握り、マスクの女は現れる。

 口裂け女がやって来る。


 次々と見つかる口を裂かれた惨殺死体。それは街の人々に都市伝説としてささやかれる怪異、「口裂け女」の仕業だった。錆びた鋏を片手に人を襲い続ける口裂け女。彼女の姉を名乗る人物が現れ、そして口裂け女の過去が語られる。



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第三四話 啼けよ、鶯、林の雨に


 黄泉国に広まる「トミノの地獄を音読すると狂事が起こる」という都市伝説。人間界の都市伝説であるそれがなぜ妖の世に広まったのか、その原因へと向かう途中、詩乃は自らの過去を思い出す。江戸時代、本姫と呼ばれた人間の少女の文車の付喪神として生まれた、ある文車妖妃の物語。



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第三五話 寺生まれの男


 誰もが知っていて、誰もが知らない、そんな存在として現れる「寺生まれのTさん」という男。どんな怪異にも「破ぁ!」の叫びとともに打ち勝つ彼は、一体何者なのか。かつての記憶をなくした寺生まれの男は、自分自身の過去と向き合い、そして因縁の怪異に立ち向かうこととなる。



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第三六話 死者の園


 森の中に佇む灰色の洋館。そこに現れる化鳥(けちょう)を退治してほしいと依頼された美琴と良介は、洋館にて盲目の館の主とその未来の花嫁に出会う。二人の婚姻を妨げる化鳥の正体とは。死神は、その物語に悲しい結末を予想する。



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第三七話 いつか未来の夏の日に


 夏休みを目前に控えた小学校の終業式。しかし楽しみなはずのその夏休みは、小学生である浩平にとっては親友である春樹との別れも意味していた。この長い休みの間に転校してしまう春樹と同じ小学校にとどまる浩平。彼らは最後の思い出を作るため、幻の蛇と噂されるツチノコを探しに学校の裏山へ出かける。だが、そこで彼らが出会ったのは言葉を話す珍妙なツチノコだった。



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第三八話 影の中の記憶


 珂々村(かかむら)という名の村に伝わる祟り神、姦姦蛇螺(かんかんだら)。村の山へと封じられていたその異形はあるきっかけで封印を解かれ、無差別に村人たちを襲い始める。かつて人であり、神に仕える巫女であった彼女は村人たちの裏切りにより死に、異形の姿となったと語り継がれている。姦姦蛇螺を退治するため村に呼び寄せられた死神、美琴。彼女は珂々村に姦姦蛇螺を祀り鎮めることを使命とする葵官女(あおいかんじょ)と呼ばれる巫女とともに姦姦蛇螺と遭遇し、そして姦姦蛇螺の本当の過去を知る。村落共同体の歴史の影に打ち捨てられた、悲しみの記憶とは。



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第三九話 空の煙


 ああ、煙々羅が揺れている。

 人は死ぬと煙になる。幼い頃に聞いたその言葉のため、炎の中で死んで行った家族の姿を見る女、弘美。木久里町で頻発する火事のために、彼女はますます煙に依存して行く。そしてその火事の裏には、妖怪、飛縁魔の存在があった。煙に憑かれた女を救うため、飛縁魔は良介を頼る。弘美が最後に煙の向こうに見るものとは。



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第四〇話 夜の果てへの疾走


 自分の生まれ故郷の村が、地図から消えた村の都市伝説の舞台となっている。それを知った藤村隆は十数年振り故郷へと戻るが、人が消え去り廃墟となったその村で、彼は幼い頃に死んだはずの幼馴染の少女、真由美の姿を見る。彼女は幽霊となったのか。それを確かめようとする藤村の前に、道士を名乗る男が現れた。かつてその村で何が起こったのか、藤村は道士とともにそれを探り始める。だがある目的から、美琴と朱音もまたその村へと向かっていた。


 

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第四一話 (かばね)は謡う


 その妖怪は、井戸の中で長い時を過ごしていた。人であった頃の思い出の歌を謡いながら、幸福だった頃の記憶に浸り続ける。それで満足のはずだった。だが人間たちにより彼女の大切なものが井中より奪われた時、それを取り返すため、妖怪狂骨はこの世へ再び現れることとなる。彼女を蝕む狂いし骨の呪いとは。



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第四二話 いつか、私が暮らした遠い町


 様々な伝説が残る岩手県遠野市。そこでかつて神隠しに遭遇し、数日の間隠れ里と呼ばれる異界で暮らし、生還した少女、冬実。大学生となった彼女は、もう一度隠れ里、そしてその入り口であったマヨイガと呼ばれる怪異を探す為、美琴と恒を尋ねることとなる。



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第四三話 黄泉夜譚(前篇)


 平安時代、かつて死神が人であった頃。ことと呼ばれていた一人の少女は、とある村のため、その身を犠牲にして生きていた。だが彼女は守っていた筈の村人たちの裏切りにことは怨恨を解き放ち、その身を異形のものへと変える。死神、美琴の誕生譚。



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第四四話 黄泉夜譚(後篇)


 一千年以上の昔、母親代わりでもあったある神族から受け継いだ異界、黄泉国。その地を覆い尽さんとする黒い影に、国の主である美琴と黄泉の住人達が立ち上がる。そして美琴が紡いで来た黄泉の夜の譚は、更なる多くの異形のものたちを黄泉国へと呼び寄せた。



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第四五話 伝染する悪夢


「私の足はどこにあるの?」

 夢の中に現れては夢を見ている人間の体の一部を奪い、殺害して行く都市伝説の怪異、カシマさん。悪霊は、噂を媒介にして人々の間に伝染して行く。そしてかつて霊能者の家系の末裔として生まれ、人々に虐げられて死んだことで最悪の悪霊と化した鹿島礼子の過去とは。



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第四六話 幻は霧雨にみだれて


 遠い昔、妖でありながら神として祀られ、そして信仰を失った今でも尚人々を見捨てることができず、力を失いながらも村を見守り続ける一柱の水神がいた。偶然自分の姿を認識することができう恒と出会った彼女は、彼に自身がもうすぐ消えてしまうであろうことを語る。



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第四七話 地獄に咲く花


 自分をコインロッカーに捨て、殺した母親を自分が死んだ場所に現れるというコインロッカーベイビーの都市伝説。渋谷駅にて自分の母を待つ彼は、とある流浪の古物商から手に入れた、自分と同じ境遇にある友達たちが込められた赤い彼岸花を手に復讐の機会を待ち続けていた。



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第四八話 時計仕掛けの恋心


 冬の日、男たちに絡まれていたところを良介に助けられた少女、マリア。彼女は良介に、仄かに特別な感情を抱く。だがその彼女と共に暮らすロボット工学者、橘あゆみはマリアのその恋心を利用し、ある行動を起こそうとしていた。その同時期、美琴は橘あゆみの正体を探り、その正体に気付く。橘あゆみの過去、そしてその想いとは。



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第四九話 寂滅為楽と響くなり


 来世で幸せになるため、そう謡っては夫婦や恋人同士など、男女の二人組を殺害し続ける双子の妖怪、とくとはつ。怨みもなく、怒りもなく、妖怪、髪切と髪鬼である彼らが人間を殺し続ける理由とは、何なのか。死神が双子を追ううちに、その理由が判明して行く。



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第五十話 夢の終わりの黄昏に


 その傘の女と呼ばれる幽霊は、雨の日にだけあるトンネルの前に現れた。その女の誘われるままにその傘に入り、ともにトンネルを抜けるとその人間は消えてしまう。そんな都市伝説が流れているのを知った恒は、しかし実際に傘の女を目撃し、その噂は嘘であることに気付く。そして彼は、ある理由から地縛霊となり、その場所から動けなくなってしまった彼女を救うため、今の自分にできることを探し始める。



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第五一話 放たれた狂気


 私は夢を見ていました。蓑原希はそう語り始める。連日彼女を悩ませる悪夢。彼女が幼い頃に良く訪れたある遊園地を舞台にしたその夢は、少しずつ現実へ浸食し、彼女を殺害しようとしていた。そんな中、希はその夢がある事件に関わっていることに気付く。それは、あるひとりの男が引き起こした、「猿夢事件」と呼ばれるその児童連続誘拐殺人事件だった。


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