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黄泉夜譚 ヨモツヤタン  作者: 朝里 樹
第三八話 影の中の記憶
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二 暴かれる真の歴史

 目的の場所までは歩いて三十分はかかるという。当然実など整備されてはいないが、森の木々の枝には無数の鈴が釣り下げられているのが見える。そして森を分断するようにずっと伸びている目の前に見える柵にも、無数の鈴が取り付けられていた。

 鈴の音は神を喜ばせ、神を呼ぶという信仰があるが、その一方で場の穢れを祓い、悪しきものを退ける力を持つとも言われている。この森に並ぶ鈴たちは、どちらの意味で付けられているものなのか。

 巫女に案内され、美琴は自身の丈よりも遥かに高い柵の入り口を潜る。

「この村にはあの螺良(つぶら)神社以外には神社がなかったと言っていたわね。なら、あなたたちの家系は巫覡(ふげき)でありながら仕える神社を持たなかったのかしら」

「ええ、私たちの祖先は歩き巫女の一団だったと教えられています。この村に流れ着いたのは江戸時代のことで、讃岐国(さぬきのくに)のとある島の生まれだったのだそうです」

 歩き巫女とは特定の神社に所属せず、全国各地を遍歴しながら生活していた巫覡の一形態のことだ。外法箱(げほうばこ)と呼ばれる箱の中に自分たちの神を入れる等、神を携帯して各地を渡り歩いていた者も多かった。そんな旅の中で神託や占いを行った。歩き巫女によっては旅芸人や遊女を兼ねた者たちもいたという。

「なるほどね。それでこの村を訪れた際に、大蛇を封じたということなのかしら」

「そうなのでしょう。しかし完全には大蛇に呑まれた巫女の怨念を鎮めることはできなかった。故に今、姦姦蛇螺(かんかんだら)様はこの村を襲っている」

 美琴は頷き、そして尋ねる。

「一体この森で何が起こったのかしら」

「直接のきっかけは先程も言ったように五日前の出来事ですが、その前身となる出来事が六年ほど前にありました。こことは別の村においての事件でしたが」

 葵は道のない森の中を確かな足取りで進みながらそう言った。

「そこである子供たち……当時中学生ぐらいだったのでしょうか。彼ら三人は、ある理由から姦姦蛇螺様を祀っていた森の奥へと行き、彼女を起こしてしまった」

 森は景色の変化を見せない。ただ薄暗い木立の群れがずっと先まだえ続いているだけだ。獣の気配もなく、ただ風に揺れる鈴の音が微かに響く。

「姦姦蛇螺はずっとこの村に封じられている訳ではないのね」

「はい。姦姦蛇螺様は一定の周期でこの村と周辺の村を移動しながら供養されていました。それを務める家系があるのです。その家系は、皆この村の出身であるらしいのですが、かつて姦姦蛇螺様を鎮めた際、ただ一か所にのみ祀るだけでは抑えきれぬと考えたようです」

 美琴の背後から足音のような音がした。かなり遠いようだが、自分と葵の歩みに合わせているようだ。近付いて来ることも、遠ざかって行くこともない。一定の距離を保ったままついて来る。美琴はちらと背後を見てから葵に言う。

「それで、その子たちは姦姦蛇螺に何をしたの? (ほこら)でも壊したのかしら」

「いえ、そこまでのことはしておりません。彼らはただ棒を動かしてしまっただけなのです」

 その言葉が終わると同時に、美琴の目の前に注連縄(しめなわ)が現れた。どうやら同じぐらいの間隔を開けて生えた木に括られているらしく、注連縄により六角形の空間が形作られている。

 注連縄は内部と外部を隔てる結界。その空間の中央に長方形で、美琴や葵ならば一人入ることができそうな箱がある。その側面には様々な家紋が描かれており、その一つ一つが違う文様で同じものがない。

「箱は長持(ながもち)のようね」

 美琴は言い、真っ直ぐにその長持へと近付いて行った。長持は近世にて主に使われた収納具のひとつだ。両短側面には棹通しの金具をつけて棹を通し,前後2人で担ぐ運搬具としても使われていた。また江戸の世では嫁入り道具でもあった。

 死神は長持をじっと観察する。どうやら蓋は取り外されているようだが、箱の内部にいたが張られていて上からは覗けない。その代わり葵と美琴がやってきた方向から見て反対側の長持の側面が取り外されていて、中が見える。

 長持の中は四隅に壺が置かれており、その中央部に先端のみ赤く塗られた小さな棒が無造作に置かれていた。美琴は振り返り、葵に視線を移す。

「これがあなたの言う棒かしら」

「そうです。この六本の棒は村の巫女の家族を表しており、そして姦姦蛇螺様の姿を表す形に置かれていました。しかし五日前、この場所へと来た村の外の者たちによって形は崩され、姦姦蛇螺様を囲う結界は壊されてしまった」

 葵は一つ息を吐き、そして続ける。

「六年前、同じようにこの箱まで辿り着き、棒を動かし姦姦蛇螺様に襲われた少年たちが、先程の三人です。彼らはこの村の者では無かったためか誰も姦姦蛇螺様には殺されず、私たちの一族が結界を張り直すことでその事件は終わりました。しかしつい最近のことなのでしょうが、その三人のうちの一人がインターネット上にその出来事を書いてしまった。それは多くの人たちに読まれ、広まり、そして同じように森の中で箱を見た、という人まで現れたようなのです。そして五日前、何人かの人たちがこの村にやって来て、許可を得ることもなくこの森へと入り、棒を動かしてしまいました。本当に姦姦蛇螺様がいるとなど思ってもいなかったのでしょう。彼らは村の外のものではありましたが、全員殺されてしまいました。何か姦姦蛇螺様を刺激するようなことをしたのか、それともこの村で姦姦蛇螺様を起こしてしまったからなのか」

 葵は棒を睨む。そして言った。

「この箱を囲う六本の木と六本の縄は姦姦蛇螺様によって死んだ十二人の村人たちを、そして四つの壺は、かつてこの村にて姦姦蛇螺様を鎮めた四人を表しているのだと聞いています。私の祖先であった一人はこの村に残り、そして残り三人は別の村へと向かったようです。その家系が現在この箱を管理する子孫となり、それぞれの村でその役目を果たしています」

「なるほどね。これはかつて姦姦蛇螺を封じた時の様子を再現しているのかしら。一種の厭魅(えんみ)。類感呪術ね」

 美琴は考える。恐らくこの空間そのものものが姦姦蛇螺を囲う結界に見立てられているのだろう。謂わばこれは現在姦姦蛇螺を放し飼いにする森の空間を規模を小さくして再現したものだ。

 類感呪術は見立てによって(まじな)いを行う手法。雨を降らせたければ火を焚いて現れた煙を雨雲に見立て、呪いたい人間がいれば人形を相手に見立てて釘を打つ。今回の場合は棒の並びが姦姦蛇螺そのものを表していた。ならばその形が崩れた瞬間に、厭魅の作用は崩れ去る。同時に結界も意味をなさぬものとなるということだろう。特に大規模な呪術であればある程、小さな欠陥が巨大な(ひび)(もたら)す。

 その結果、姦姦蛇螺は結界を超え人里に現れた。そしてかつての怨みを晴らすため、次々と村の者たちを襲っている。封ぜられたことが更に彼女の憎悪を増長させたのかもしれぬ。自由を奪われ、延々と怨念の記憶の中を泳ぐしかできなかったのであろうから。

「ところで、姦姦蛇螺を囲う結界は長方形? それとも六角形?」

「この注連縄の示す通り六角形ですが、それが何か?」

 ならばこの長持は結界の形を表している訳ではないということか。美琴は一人納得したように頷いた。

「いいえ、ただ興味があっただけ。それにしても、姦姦蛇螺が解き放たれたのがこの村だったのは因果ね。あなたの話を聞く限り、ここは巫女が姦姦蛇螺に変わった村でしょう?」

「そう、この村はまた村人に裏切られた場所でもあります。その分姦姦蛇螺様の怨念は強い。だから簡単には再び鎮めることはできず、また姦姦蛇螺様も村の者たちを見境なく襲っています。姦姦蛇螺様にとってはこの村に住んでいるというだけで憎むべき者たちなのでしょう」

「そのようね。彼女にとってここは忌むべき記憶が眠る土地であると同時に、自身の積年の想いを遂げられる場所でもある。そして最も憎むべき対象の一人には、かつて自身を封じた巫女の子孫であるあなたが含まれる。来るわ」

 美琴が妖術で隠した刀を出現させると同時に森のどこからか鈴の音が鳴り響いた。その音が次第にこちらへと近付いて来る。

 美琴の体を青紫色の和服が覆い、そして鞘から妖刀の刀身が引き抜かれる。紫色に染まった目は森の奥を睨み、そしてその向こうから怨嗟の塊のような霊気が漂って来る。

「姦姦蛇螺様……」

 葵は震える声でそう呟いた。闇の奥から蠢く影がそっとその姿を現す。

 静脈の浮き出た六本の白い腕が注連縄の張られた二本の木の根元を掴み、遅れて木の影から女の上半身が現れる。

 地を這うようにして現れたそれは、顔を上げて口角の端を釣り上げた。長い髪が地面を濡らすように垂れている。その体から禍々しい霊気と妖気が滲み出ていた。

「美琴様、姦姦蛇螺様の下半身を見てはなりませぬ。その行為は即ち姦姦蛇螺様の怨念を一身に浴びることを意味します」

 美琴は答えず、無言のままに姦姦蛇螺と対峙する。

 姦姦蛇螺が起き上がった。上半身は六本の腕が生えた女の姿。その身には何も纏ってはおらず、死人のように青白い肌が土や枯れ葉に汚れている。

 そして、その下半身もやがて姿を現した。丁度腰の付け根あたりから肌が鱗へと変わり、ぬめりとした独特の光沢が月夜に照らされている。それはまるで白い蛇の胴に見える。

 その下半身を見た瞬間、美琴の脳裏を浸食するように景色が過った。自分の体へと斧を振り下ろす男の姿。地面に横たわっているのだろう。空へと聳える木々が見える。ここは森の中だろうか。次いで足に激痛が走った。

 直後景色は変わり、今度は青空が見えた。背中に感じるのは暖かくぬかるむ液体。血だまりの中に寝ているのだろう。両手両足の付け根に感じる激痛は、自身が四肢を失ったことを示していた。その霞む視界の端にこちらを見下ろす巫女の姿を捉える。

 その容姿は、とても葵に似ていた。同時に様々な怨嗟が美琴の霊体を侵し始めた。一人のものではない、複数の怨恨。ただそれはただひとつの方向へと向けられている。恐らく、珂々村の者たちへと。

 これは姦姦蛇螺の記憶ということか。

 美琴は奥歯を噛み締めた。そして自身の霊力を振り絞る。

 また景色が変わった。自身を囲む村人たちと、そして松明を持った一人の男の姿。ぼろぼろになるまで体を痛めつけられた少女は、それをただ見ることしかできない。

 やがて松明は投げ込まれた。炎が少女に迫る。少女は為す術なくその炎に飲み込まれた。凄まじい怨嗟をその身に背負い、少女はその身を焼き尽くされた。

 それは巫女の記憶ではない。遥か昔、死神を襲った(いにしえ)の記憶。姦姦蛇螺の記憶は、死神自身の記憶によって塗り替えられる。

「生憎ね……」

 美琴は目を見開いた。視界はまた森の中に変わる。ただし今度は現実の、現代の珂々村の森だ。美琴は力の緩み掛けた指で刀を握り直し、そして葵をその六本の腕で掴み上げる姦姦蛇螺へその刀身を振り上げた。

 姦姦蛇螺の背が斜めに切り裂かれる。赤黒い血液がその青白い肌を染め、姦姦蛇螺が振り返る。その顔はこの世全てを呪うような憎悪に染まっている。

「私はあなたと同じ。だから、あなたの呪いは効かないの」

 姦姦蛇螺が葵を放し、その体を翻す。同時に振り抜かれた尾を跳んで避け、死神は宙で刀を構え直した。そして姦姦蛇螺の体を今度は正面から斬り付ける。

 地獄を震わせるような声が姦姦蛇螺の歯の間から洩れた。胴と蛇の半身を斬り離さんと薙いだ刀は姦姦蛇螺の肉を浅く切り裂くに留まった。しかしそれでもそれなりの効果はあったらしく、姦姦蛇螺は葵を放し美琴に背を向けた。美琴もまたそれを追おうとはせず、刃を収める。

 このままでは彼女は殺せない。確かめねばならぬことがある。

 美琴は地面に倒れたままの葵を抱き起こした。怪我はなさそうだ。

 美琴はふらつく葵を抱えて立たせ、森の出口に向かって歩き出す。




「おお、戻って来たか」

 石段を下りたところで、鳥居の辺りに立っていた西塚が美琴らを指し、言った。

「無事だったか。 葵殿もまだ生きておられるな」

 死神は頷いた。葵はふらつきながらも自身の足で大地に立っている。

「それで、姦姦蛇螺はどうなった?」

 西塚が問う。

「傷は負わせましたが、殺してはいません。恐らく数日も経てばまた人を呪い始めるでしょう。もしかしたら数時間かもしれない」

「やはり殺せはしななかったか。しかし姦姦蛇螺様に(まみ)えて無傷とは。私が予想していたよりもずっと力は強いようだ。それは認めよう」

 美琴は黒いスーツの男を睨むようにして見る。

「殺すよりもまず知りたいことがあります。どこか静かな場所で話しましょう」

 美琴は言った。血生臭い匂いが風に運ばれ、村を漂う。

 あの呪いの方法や姦姦蛇螺の過去を覗き、はっきりした。この村は偽りの記憶を孕んでいる。




「それで、知りたいこととは?」

 訝しげな視線を前塚が美琴に向けている。ここは葵の一族の屋敷。その客間にて、死神は葵の巫覡と退治していた。

「簡単なことです。この村に伝わる姦姦蛇螺の過去。あれは実際のこの村の歴史とは異なっていますね」

「なぜそう思われる?」

 西塚が尋ねる。手当てを済ませ、彼の隣に坐した葵は交互に西塚と美琴を見ている。その表情から察するに彼女は何も知らぬようだ。

「気になる点は幾つかあります。まず姦姦蛇螺になったという巫女についてです。元々歩き巫女の一団であったというあなた方はともかく、元来この村の巫女であったというのならば何か仕える神がいたのではないかと、そう思ったのです。彼女は神の子孫だったと伝えられているのでしょう?」

 美琴は西塚を見る。彼は何も答えない。

「そしてこの村にはたったひとつの神社しかなかったと聞いています。少なくとも姦姦蛇螺が現れた日までは。ならばその巫女は、螺良神社に仕えていた巫女ではなかったのでしょうか」

「つまり姦姦蛇螺は自分を食らった大蛇に仕える巫女はだったと、そう言いたいのか?」

 西塚が問う。美琴は頷いた。螺良神社が大蛇を祀る神社であった以上はそうなるだろう。美琴はまた口を開く。

「それだけではありませぬ。巫女は神子とも書きます。これは神に仕える子を意味し、そして神の妻という意味を含む。そして神婚は即ち、神と人の間に生まれた子がいたことを示唆する。そしてこの珂々村という村の名前です。”かか”とは古語で蛇を意味するという説があります。それが正しいならば、この村はずっと蛇に深い関わりを持っていた村落共同体だったと考えられる」

 姦姦蛇螺という怪異について考えるならば、その前身となった珂々村の巫女について知らねばならない。彼女は一体、どのような存在だったのか。それが見えてこなければ何故彼女が人であることを捨てたのか、その本当の意味は分からない。

「つまりこの村は古くから蛇神を祀る村であり、螺良神社の巫女はその蛇神に仕える巫女だった。そう考えるのが自然です。そして巫女にとって、大蛇はただの神ではなかった」

「……その巫女は大蛇の子孫だったと、そう仰りたいのですか?」

 恐る恐ると言った調子で葵が尋ねた。美琴は頷く。

「ええ。神の子孫として自らの祖先である神に仕える巫覡には多くの例があります。例えば古いものならば日本神話では蛇神である大物主大神が疫病を流行らせた際、自身の末裔である意富多多泥古(おおたたねこ)に己を祀らせることを望み、その通りにしたことで祟りは収まったと伝えられています。珂々村の巫女が神の子孫であったならば、大蛇の血を継いでいた可能性が高いでしょうね。そしてそこで生まれるのが、何故大蛇は今、この村にて祟り神として、そして巫女を食らった邪神として伝わっているのか、という疑問です」

 村に代々神として伝えられていた神。それは突然人を食らう祟り神として村の伝説に姿を現した。それにもまた何かしらの理由がある筈だ。

「急に祟り神となったとも考えられるだろう。あんたのいう日本神話にもそんな蛇神がいたはずだ。名前は夜刀神(やとのかみ)と言ったか」

「『常陸国風土記』に現れる蛇神ですね。確かに夜刀神は一度箭括氏やはずのうじ麻多智またちによって神として祀られていながら、後の時代に再び人に害をなす怪異として現れたと記されています。しかしこの物語には大事な部分が抜けている。それは、何故夜刀神が再び人を祟るようになったのかという理由です。人の視点から描かれた風土記には、それは詳しく記されてはいない。ただ自らの住処を荒らされたことが原因なのだろうと予想ができるのみです」

 美琴は二人の巫覡を見据え、そして透き通る声でさらに続ける。

和魂(にぎみたま)荒魂(あらみたま)の区別、それは人の視点から見て神が自分たちの益となるか害となるかという基準でしかありません。神が全く別の存在に変わる訳ではない。人を守るも祟るも理由があるのです。姦姦蛇螺が怨みからこの村を襲うようになったように。彼女の場合は存在そのものが変わってしまった特殊な例でしょうけれどね」

「この村の蛇神にも人を祟るようになった何らかの理由があったと、そう仰りたいのですね」

 葵が問うた。だが美琴は首を横に振る。

「いいえ。大蛇は祟りなど起こしてはいなかったのではないかと、そう考えています。祟りを起こしたのは別の神なのではないかと」

 美琴は二人の巫覡を見据え、そして言う。

「あなた方の祖先であったという歩き巫女。彼女たちの中には外法箱と呼ばれる箱の中に、自身の神を入れていたものも多かったようです。それが特定の場所に留まらず巫覡として生きて行けた由縁のひとつでもあるでしょう」

 美琴はそこでひとつ言葉を区切り、小さく息を吸い込む。そして微かに首を傾げた。

「そしてあなたたちの祖先は、その外法箱の中に蛇を入れていたのではないですか? 憑きもの筋のあなた方にとっては、神として崇めねばならぬある蛇を」



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