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蒼穹のごとく  作者: 黒兎
王都都市 グラムダルグ
2/3

列車を降りて

 音を立てることなく浮遊列車が駅のホームに滑り込んで来る。


 名前の通り列車は地面に触れることなく5、6センチのところで浮いており、揺れ一つなく静かに停車した。


♦♦♦♦♦♦


 グラムダルグの第4号地を含む全世界が今は地下深くに存在する未知の鉱石(エルクリスタル*世界創世の神エルナの石*)を使い、科学技術などを発展させている。(未知の鉱石を使っている時点でどうなのか良く分からないけど)


 例えば、列車や車といった乗り物は無人でも動くように出来ているし、動力源には浮石を使っている。


 浮石は、重力に関係なく常に一定の高さで浮いており、使う者の意思により高さや移動速度が変わり、今の科学では意石(人の意思をコピーして人のように意志を持つ石)を使い、同じ石同士の共鳴反応を利用して無人で動くようになっている。


 浮石や意石以外にも昼間は光を吸収し蓄え、夜になると吸収した光を放つ輝石や、取り込んだ音を再生したり出来る再音石など様々な石があり、未だに発掘されてない鉱石が多く地下深くに存在している。


 王都を囲むように造られたグラムダルグは6つの街に区切られている。その内の一つがこの第4号地(オオカミの巣)。他の街とあまり変わらないが、唯一違うとすれば狭い路地が多くあり、ほとんど大通りが無いことだ。だがここで暮らす人はそんなことなど気にするはずもなく普通に暮らしている。


♦♦♦♦♦♦


 停車した列車のドアが開き人がぞろぞろと降りて来た。


 昼を少し過ぎた時間帯なのでほとんどの人は駅を出てすぐの所に在る飲食店へと向かう。


 その中に少し大きめのトランクを持った小学生と間違われそうな身長の少年が混ざっており、人の波に流されるように一緒に飲食店の中に入っていた。


♦♦♦♦♦♦


「おばちゃん。おかず多めに頼むよ!」

 厨房の窓口から声が響いた。窓口から先ほど店の中に入った少年が食券を差し出している。トランクは既に何処かの席に置いて来ているのか、手には何も持っていない。


「はいよ!飲み物のお替りは自由だからね」

 食券と引き換えに注文した料理を受け取り、お礼を言ってから先に取っていた席に座り食べ始める。


 手を休めることなく黙々と口に運んで五分もせずに食べ終えた。


「ごちそうさま。うっし、行くか!」

 手を合わせてから掛け声をかけ席を立ち椅子の隣に置いていたトランクを待ち店を出て行く。


 後の片づけは担当の人がやってくれるので、そのままにして店を後にした。


 少年は店を出たあと少しの間歩いていたが、いきなり道の真ん中でぴたりと止まった。


「……探すって言っても…どれが宿なのかわかんねぇ…大体何でこんな遠くまで……」

 いきなり道の真ん中で立たずみ肩を落とし、ぶつぶつ呟く少年を迷惑そうな顔をして人々が通り過ぎて行く。


「おーい!タズナ様が遠征から御帰りになられたぞ!!車が通るから道を開けろ!」

 どこからか声が響いた。


 それを聞いて通りにいた人たちは道を開けるべく移動するが、すっかり自分の世界の中に入っていた少年はその声を聴いてはいなかった。


 人々の気配が離れて行ったのにも気付かずに未だに独り言を口走っている。


「…おい……。おい、坊主早く脇に避けろ」

「ん。えっ!」

 横の方から掛けられて声にやっと気付く。声の方を振り返って見ると、通りの端っこの方から男が怒鳴っていた。


「そこを早く離れろ、タズナ様の車が通るぞ」

「えっと、誰それ、タズナ?」

 知らない名に首を傾げる少年。反応する所はそこじゃ無いのだが、その時道の向こう側から車が近づいて来ているのが目に入った。


「あぁ、車ね……。て、やばっ!ここど真ん中じゃねぇか!!何で誰も言ってくれないんだよ!?」

「ドアホ!何度も言ってるわぁ!てか早くそこ退かねぇと轢かれるぞ」

 混乱して道の真ん中でアタフタしていると、車が目の前にまで迫って来ていた。


「うわぁ!」

 ぶつかると思い目を瞑った瞬間、襟首を思いっきり引っ張られ声を上げる。


「…たくっ、クソ餓鬼め、ちゃんと気を付けねぇと危ねえじゃねえか」

 襟首を掴んで引っ張ったのは、長身の青年だった。

 ごめんなさい。

初めの投稿からかなりの時間が経ってしまいました。次からはもっと頑張ります。

:誤字、脱字などの誤りなどありましたら是非指摘してください。

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