真実
「いや、不意に横から来たのでな。少し驚いてしまっただけだよ」
「そうなの?陽ちゃん……大丈夫?」
「ああ。心配かけてすまないな」
……この人達って、どんな関係なんだろう。男性の方は見た感じイケメンで、女の子の方は純真無垢な感じだ。
でも……絵になってるなぁ。
で、肝心の尭人だけど。
何でこの中に居るんだろう。絶対浮いてるよ。
あ、でも何で私も呼び捨てなんだろう。
まぁいいや。
「本当に大丈夫なの?」
「心配するな」
「本当?」
「本当だ」
「確かめてもいい?」
「いいぞ」
チュ。
「本当。大丈夫みたい」
「だから言ったろ?大丈夫だって」
「うん。じゃあ、行こ?」
その後すぐに呆気にとられているここの二人を置いて、あっちに去って行った。
「ったく…気分悪ィぜ…」
「ねぇ…あの人達って…どんな関係なの?」
「彼氏彼女のカップル、と言いたいところだが…。ありゃ兄妹だ。兄妹でほっぺにキスとか…、シスコンとブラコンにしか成せない技だよ」
「……へぇ。そうなんだ」
危うくトキメキかけるところだった……。
今日は世界の広さを身をもって体感したよ。
「と言うわけだから、俺と付き合ってみないか?ほら、さっきのよりはマシだろ?」
やっぱりそうきましたか!
確かに兄妹愛よりは現実的だとは思うけれどもっ!
でも、こんな変態とは付き合えない!
「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「ちょ、どんな捨て台詞だよ!」
何で私ばかりに付き纏うのよぉ!