女
「ちょ…!」
すると、どこからか先生が走って迫ってくる。
「せんせー、この娘ですよー、イチゴ飴なめてますよー、今日のパンツはイチゴがらなんすかぐほっ!」
言い終わる前に、思い切り顔面をけり飛ばしてやる。
「君!何やってるんだ!」
「あ、やば…」
飴を食べただけじゃなく、先生の前で人を蹴るという行為の重さに今更気付く。
ふと、足元を見ると尭人の顔が上を向いて転がっていた。
しかも、目を開け杏のスカートの中をのぞいている。
「変態か!」
もう一発、顔面に一発くれてやったが、こっちに非はないはず、と一人で納得してみる。
が、そうもいかないみたいだった。
「君!、うちの理事長の孫の尭人さまに何をするんだ!」
「え…?こいつが理事長の孫??」
そういえば、理事長が自分に孫がいる、てきな事を言っていた気がするが…
「こいつがその孫なんですか!?」
「ああ、この方こそ未来の樹桜学園理事長!尭人さまであられる!」
その未来の理事長さまはまだ床に寝ているのだが
「こんな変態が理事長になったら、この学園終わりますよ!?」
「君!、いい加減にしないか!その言動といい、行動といい、今すぐ指導室に来い!」
ああ、最悪だ
こいつのせいで初日から問題児扱いだ…
「必ず助けに行くからね」
いきなり耳元でささやかれたので、顔をあげてみると尭人がいつの間にか横に立っていた。
あまりの近さに一瞬戸惑ってしまう。
すると、尭人はそのままどこかへ去ってしまった。
「え、いや!とゆーか、そもそもお前が原因だろうが!」
そんなツッコミはもう届かなかった。
「こっちだ!入れ!」
う~、まるで囚人の気分だ…
扉を開くと、中にはイスが一個と机があった。
その一個のイスにはなぜか白衣の女性が座っている。
「主任!、問題児がいました!指導を頼みます!」
とりあえず、この体育系の先生はうざい、と私は一つの事実を知った気がする、気のせいかもしれないけど。
「あらら~、可愛い問題児ね~、そんなに可愛いと私のムチが出ちゃいそうよ~」
そう言いながら、手にはムチ…だけじゃなく縄や蝋燭まである。
そしてこの女は怖いな、と私はもう一つの事実を知った、今度は気のせいじゃないだろう。