初めての友人は・・・変態さん
すっかり暗くなった道を二人で歩いた。
お祖母ちゃんは先に家に帰ったのだった。
「ぃやぁあww杏のお祖母ちゃんいい人だよなww」
「なんで???」
「だってこうして二人っきりにしてくれたじゃん」
はっ?こいつの思考回路はいったいどうなってるんだろうか。
「今日から尭人のことバカって呼んであげようか?」
「いやだよっ!」
「今日のサッカーすごかったね!スティーブかっこよかった!」
あのあとスティーブのチームは無事逆転して勝ったんだよw
周りの歓声が力になってくれたのかなw
・・・あのときの尭人・・・かっこよかったなw
別人みたいで!
今の尭人は微塵もさっきのかっこよさとかはないけどね!
「・・・」
二人の間に沈黙が続く。
ちらりと尭人のほうを見てみると
プクリとほほを膨らました尭人がこっちを見ていた。
「!!」
びっくりした・・・ってかなんで見られてるのかしら。
「・・・ってか今日は友達がたくさんできるはずだったのに尭人のせいでできなかったのよ!」
まぁ・・・楽しかったけど
「変態女の先生に会うし。あと変な兄妹にも会うし」
「別にいなくてもいいじゃん?」
「なにが?」
「友達だよっ!俺だけでいいじゃんか!」
・・・何を言っているのかな?
「友達は必要に決まってるでしょ?」
一緒にプリとったりお茶したり歌を歌ったり・・・
しかも尭人とは友達すらないし!
私はあんたのことなんか変態としてみてるし!
「私はあんたとはクラスだって違うし学年だって違うじゃない」
よってあなたと私はまったくの他人。
わかった?
「何言ってんだ?俺は杏と同じ学年だし同じクラスだぞ?」
言ってなかったっけ?
そういって首をかしげる尭人。
そんなこと一言も言ってないわよっ!
「ん!ということなんで今日から友達としてよろしくな?杏」
よろしくしたくないわよっ!
ってか私に握手を求めるのはやめて欲しいわ・・・。
「隙があればどんどん行くからさ!」
私の体がどんどん冷えるんがわかった。