スティーブ
「ちょ、ちょっと止めろよ、杏!」
「五月蠅い!さっさと帰って!」
「まぁまぁ、杏ダメでしょ?お友達にこんなことしちゃ。」
「友達じゃないわよ!」
「そうです、お祖母様、僕たちは恋人なのです。」
「黙れ!」
私は尭人を無理やり玄関へと押しまくっている。
それをお祖母ちゃんが止めようとする。
これが今の状況だ。
「というかお祖母ちゃんなんでそんなに尭人の見方をしたいのよ!」
「だって自分の孫が創った子供も抱いてみたいんだもの。」
「そうです、お祖母様。同意見です。」
「アンタはいちいちいちいち・・・」
杏の右フックが尭人の脇腹へ直撃。
「グッ!何をする!」
よし、利いてる!
杏がもう一発喰らわそうとした時、尭人は急にこっちを向いて、
「そういえば俺今日サッカーの試合観に行くんだった。よかったら杏もどう?」
「え?」
「まぁ、いいじゃない、杏。でもいいの?尭人君。」
「ええ、チケットなら余分に有りますし。よかったらお祖母様もご一緒にどうですか?」
「あら、ありがとう。杏、行くわよね?」
な・・・なんでイキナリこんな話に・・・そりゃここを出てってくれるのは嬉しいけど、もうコイツとかかわりたくない・・・。
「あ、私勉強しなくちゃいけないから。また今度。」
今度はないけどネ☆
「でもスティーブも出場予定だぞ?」
「スティーブ様が?あのスティーブ様が?」
「ああ、今女学生を虜にしてるあの選手だよ。」
「行く!」
「んじゃ、決定。」
こうして尭人、杏、お祖母ちゃん一行はサッカー観戦に急きょ行くことになったのである。
【おまけ】
スティーブ・・・20歳。
「鳥取勝負パンツーズ」所属。
イケメンすぎてジャニーズが芸能界を去ることに。