お祖母ちゃんの本性
「知らない人もいるんだ…てか、何でしらないのよ?」
「はぁ?どういう意味だ?」
「私のお祖母ちゃんはね…、柔道師範八段で五輪優勝、槍術初段、それから……」
「もういい!お前の祖母ちゃんの凄さは分かったから!いや、お祖母様?」
そう。
だから私はお祖母ちゃんに逆らえないのだ。
しかも、ああいう腹黒で変態な性格だから余計に性質が悪い。
よりによって野球拳だなんて……。
別に尭人の裸なんて見たくもないし。
「おい、杏。それならここはお祖母様に従っといた方が良くないか?ハァハァ…」
「鼻息荒い!あんたの下心が手に取るように見えるわ!」
「じょ、冗談だって。だからその足を退けてくれませんか?お前だって起訴されたくはないだろ?」
「起訴って、そこまでするつもりだったの!?」
私はパッと足を退いた。
「いんや。冗談」
「死ね」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ちょっと!まだ何もしてないでしょ!
それにそんな大声出したら…
「どうしたの!?一体何が起きたの!?」
ほら、やっぱり来ちゃったじゃない!
「あぁ…まだナニも起きてないのね。そこの尭人…と言ったかしら。甲斐性なしは嫌われちゃうわよ?」
「ちょ、お祖母ちゃん!私は別にコイツのことを好きなんて…」
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ!杏!ベッドルームはどこだぁぁぁ!」
真に受けすぎだって!!
お祖母ちゃんに影響され過ぎ!
でも、このまま野外に放り出せば……!