遊戯
さて、家に来てしまった尭人を追い返すことは無理だろう。
ならばどうするか?
何事も無く帰って貰う!
これが、今のミッションといえるだろう。
部屋は危険なので、居間に案内する。
「あれ~、部屋には行かないの?」
「もう少し、常識ある大人になったらね」
「大人になったら、良いんだ」
尭人がどう捉えたかはスルーしよう。
居間につくと、勝手に腰を下ろす尭人。
「さてと、じゃあ、さっそくなんかゲームしよっか」
「はあ!?なんであんたとゲームなんか…」
すると、いつになく真面目な顔になる尭人。
「近年の恋愛漫画の類では、こういう場合いちゃいちゃ出来るゲームをするんだろうが、ここはあえて、そのパターンを否定しようと思うんだ」
「は?意味はわかんないんだけど…」
「ここにきて、そのゲームはないだろう、と思うゲームをしたいんだ」
「あ、えっとたとえば何を?」
なんか、凄い威圧感だ…
「麻雀とかそういった類のものだよ」
「ああ、なるほど、私麻雀はわかんないわよ」
「じゃあ、ほかになにがあるか考えてみよ~」
案1;花札
尭人「わかんない~」
杏「同じく」
ボツ
案2;トランプ
尭人「だいたい知ってる」
杏「ババ抜きぐらいなら…」
ボツ
案3;囲碁
尭人;「昔は神の一手を求めてたから」
杏;「五目並べなら…」
ボツ
案4:将棋
尭人;「もちろん、出来る」
杏;「なんにも知りません…」
ボツ
「杏ってなんにも出来無いじゃん」
「う…、いや、こういったゲームは苦手で」
「苦手なもの多いよ(笑)」
反論しようと思った所で、お祖母ちゃんが茶菓子とお茶を持ってやってきた。
「なにを話してるの?」
「いや、なんのゲームをしようかと」
「杏ちゃんなんにもしらないんですよ~」
「ちゃんを付けるな!」
「だったら、簡単なゲームがあるわよ」
「え?なに?」
「男女がいるなら、やっぱり野球拳でしょ~」
それを聞いた瞬間、私はフリーズ
「いいですね~、それ」
と賛同する尭人。
「でしょ~」
この流れでわかる。
たぶん、反論の余地はない。