恩返しは、オロロロロン!?
帰路につく女子二人。
「朝のあれ、もう片付けてあるかな?」
「ゴミとして捨てられたんだろうなあ……」
「食欲かしら?」
「おなかいっぱいだよ」
「あら残念。街まで出てハンバーガーを食べようと思っていたのだけれど」
「一緒に行くよ!電車使う?」
「歩きましょう」
オエエエオロロロロンン!
「何か……匂いがしない?」
「また魚が転がっているのかな?」
街へ出る道を歩いて辻を曲がると……
そこには化け物がいた。
「何よあれ!魚を……吐き出している!?」
「見なかったことにして逃げよう!」
身長は2mくらい。茶色のマントを背中に着けている。
お腹が不自然に膨らんでいた。
オロロロローン!
魚だ。あのお腹には魚がたくさん詰め込まれているのだ。
驚きつつジッと観察すると、奴が、こちらを向いた。
ガオオオオオオオオオオ!!
「見られた!速く!逃げるわよミカ!」
「ま、まってサク!」
◇
「なんだったのかしら。アレ」
「電話、かけてみる?」
「うん!名刺は持っているよ!」
ミカがスマホを取り出す。
「どうも!非存在観測部隊ナンバーワン、ミコトです。怪現象かしら?」
「ええ!そうなんです!帰り道に魚を吐き出す大男がいて!」
「安全は確保できているの?すぐに現場から離れたほうがいいわ」
「詳細な住所は……」
◇
「アレはクジラの幽霊ね。昔助けられた恩で魚を持ってきたみたい」
「へえ。迷惑な恩返しですね」
「人間同士だって変なプレゼントを渡してくる人が居るものでしょ」
「その話はもういいよ。ミカ、ミコト先生!それよりも大事なことがあるでしょ」
「そうね……ミカ、貴方……非存在を引き寄せる体質かもしれないわ」
「偶然一回だけ出会っただけじゃないですか」
「本当にそうかしら?いままでも見逃していただけで怪現象に見舞われていたんじゃない?」
「ちょっと不運だとは思いますが……猫に靴を持っていかれたりカラスに襲われたりあとは牛乳が古くなってたりとか」
「賞味期限内なのにおいしくなかったのね?」
「そうなんです。思わず吐き出しちゃったからお腹を痛めることはなかったですが」
「ふーむ。守護霊とかを頼るのが一番いいのだけど……先祖供養はやってる?」
「母に任せきりで私はまったくしてません」
「だとしたら……コレね。お守りをあげる。護国神社の安全お守りよ」
「こんなので不運が解消するんですか?」
「気分的には、ね」
「気分かあ」
「何かあったらまた私に連絡しなさい。まってるから」
ミカとサクは大学教授のミコトとコネができた。
非存在、クジラ男は今日もどこかで魚を集めている。




