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非存在観測部隊の怪現象譚~ミコト教授のケースログ~  作者: LostCun
ケース2

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ホラ穴事件 ―残業帰りのサラリーマンが遭遇した、足の生えた地蔵の怪― 2話


翌朝、ちょっと早起きをして会社へ向かう。

朝6時、軽めの朝食をとって準備万端だ。

昨日のことは忘れよう。何かの間違いだったのだ。

駅へ向かう道を歩いていると……

あれだ。あの足跡だ。昨日見た地蔵の足跡がしっかりと地面に刻み込まれていた。

穴のようなものが転々と駅へ向かう道すがらに残っていた。

「いったいなんだていうんだ」



コンペは大成功だった。

おそらくうちの会社が仕事を受注できるだろう手ごたえがあった。

コンペのメンバーと何人かを合わせてささやかな宴会をすることになった。

帰りの時間は22時だ。

少しだけ酔って気分がよかった。

しかし、その気分の良さに冷や水が浴びせられることとなったのだ。


ゴウンゴウン……


「またあいつか!ちくしょう!いい気分だったのに!」

なんだかムシャクシャしていた。

今日は回り道しないで真っすぐ帰路を歩いてやる!

そう心に決めたのだった。


オーホーオーホー


声が聞こえる。

地蔵の歩みはゆっくりだった。

地蔵、地蔵か。笠地蔵の話は知っている。

何か声をかけてみようか。

「おい!お前!道に穴をあけるな!迷惑だろ!」


オーホーオーホー


「聞いてんのかこの野郎!」


オーホー……


「聞いてんのかって言ってんだよ!!」


オー……


「おぎゃあ!おぎゃあ!」

「赤ちゃんの声を出したって許さないからな!」


ポロリ……ポロリ……

「涙を流したって!!」


地蔵は言葉を持っていなかった。

「くそう!オレが悪者みたいじゃないか……」

ふと思った。どうせなら善行を積みたい。いいことをしてやろう。

「おい!お前!寺の位置を教えてやるからそこに行けよ!」

スマホで近場の寺を調べて画面を地蔵に見せてやる。


オーホー……

こくりと地蔵が頷いた。ように見えた。



後日聞いた話では、近所で亡くなった赤ちゃんの霊を供養するために

お地蔵さまが手助けしてくれた。と言うことになっていた。

与太話に落ちをつけるのが得意な奴もいたもんだな。


その事件の名はホラーな穴事件、略してホラ穴事件と呼ばれた。

穴は春まで残っていた。もう増えることはないだろうが。

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