ゾンビにご注意!スプレー無双!
「ひいいいいいい!こわいいいいい!」
「ははは!平気だよ!テレビの中から化け物が出て切るわけじゃないからね」
「……グオオン!」
「誰だいまのは!」
「テレビの中の音でしょ……?」
「いや、このDVDは何度も見ているけど、こんなタイミングで出る音じゃなかった」
「初めて見るって言ってたじゃない」
「キミとは初めてだよ」
「浮気者めー」
◇
「で、死体が見つかったって?凶器もないのに?」
「ああ。怪奇現象と言っていいだろう。心停止との解剖医の判断だ」
「それが非存在によるものじゃないとしても、私の案件ね」
「よろしく頼むよ。資料はここに置いていくからな」
「お疲れ様。刑事さん」
夕暮れ、西日がまぶしい時間にミコトの研究室に刑事が訪問していた。
残業は嫌ね。資料を読んで現場に行くのは明日にしようとミコトは思った。
◇
「ここが現場か……」
不審死。その死体を見つけたのは男の恋人だったという。
2人きりでゾンビ映画を見ていた途中に女が飲み物をとりに行った。
返ってくると、男がうずくまっていたのだと言う。
女は男が眠ってしまったのだと思い毛布を掛けて隣でDVDの続きを見たそうだ。
朝になると、男は冷たくなっていた。
救急車を呼ぶが、手遅れだったとのことだ。
ミコトが女を見た。
アクセサリーをジャラジャラとつけている。
右手だけで3種類。胸元も入れたら12種類だろうか?
数珠に猫目石に真珠?重たくないのだろうか?
「一つ聞いてもよろしいかしら?」
「はい……」
アクセサリー集めが趣味だという。
幸運を呼び込むもの、願いを叶えるとうたうもの。
種類は様々だ。
「なにか願いがかなった経験があるのかしら?」
「ええ!彼氏ができたのもこのアクセサリーのお陰なの!」
「彼の死を願ったりしてないかしら?」
女は顔面蒼白となった。
「そんな……まさか……!彼の浮気を少し疑っただけで」
パリン!何かが割れる音がした。
「何の音ですか?」
「殺意を肩代わりした音よ。私がつけている身代わりがお守りのね」
女は全てのアクセサリーを外した。
「こんな……まさか……願ってなんかいないのに!私は!」
願いを叶える効能の暴走事件
恋人への殺意と言う非存在
似ているわね。現代版サルの手かしら。
その後、男の死体が起き上がって歩いたという話を聞いたが
刑事に渡していたスプレーを吹き替えたら再び動かぬ死体となったとのことだ。
備えあれば患いなしね。




