唐突に始まるミステリー。そしてそれはすでに終わっていた。2話
「ち、ちくしょう!食われてたまるか!」
タイトは台所にあるまな板を取って見えない何かの方向に投げた。
バン!と音が鳴って不自然な位置にまな板が落ちた。
「当たった!?実体があるのかよ!」
少し冷静になったタイトはドアを開けて逃げた。
そして……
タイトは知り合いの伝手をたどって問題解決の手段を持つという女性に頼った。
「学者の出番かな?幽霊なんて非科学的な概念。あるわけがない。非存在を証明しましょう」
◇
「ここにそいつが居たんだね?」
「ああ!間違いない。指のミイラを食べていた!」
「うーん、見たところ何もいないように見えるね」
「奴は透明なんだ!ところで、教授のその恰好は?まるで掃除しに来たみたいじゃないか」
「ある意味、ね。除霊と掃除は似ているものだよ」
顔にはゴーグルとマスクと頭に頭巾、手にはスプレーを持っている。
「そのスプレーは洗剤か何かですか?」
「いいや?ありがたいお香の香りがするスプレーだよ。過去の実績からこれが一番効くんだ」
「それで、いそうですか?」
「いないねえ。移動してしまったのかも?」
「もう戻ってこないと考えてもいいですか?」
「いや、判断は早計だよ」
ポタ……ポタ……水漏れかな?
「おかしな音がしますね」
「ここは2階建てのアパートの1階ですよ!水音なんて不自然だ!」
ガバアアアア!とタイトの上に覆いかぶさるかのように何かが降ってきた。
「うわあああああああああ!!」
「出たね!見えない非存在め!」




