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3-1


 僕は師匠に書いてもらった符を取り出し、迫り来る化け物に向けて投げつけた。

 符が化け物の肩に貼り付くと爆発した。

 辺りに不気味な緑色の血が飛び散る。


月花(げっか)の名の下に枯れ果てるがいい……」


 僕は指を宙に絵を描くように動かし、術を発動させた。


月花陣(げっかじん)


 化け物の周りに円陣が引かれ、宙に浮ぶ。

 その円陣の中にはきれいな桃色の花が描かれている。

 その花の名は月花……。

 それを見たものは、美しい花の魔力によって呪われ、死に至るという。


「月花はその美しい外見とは裏腹に恐ろしい力を持っている……お前も、その美しい花に見とれて死ぬがいい」

 人差し指を一直線に振り下ろす。


「陰!」

 化け物は一瞬にして灰と化した。


 僕は背後から邪気を感じ、振り返った。

 森の奥からはまだ化け物達の邪気が感じられる。

 先日、降った雨で土は泥濘となっている。

 化け物達にとって好都合でもあり、住みやすい場所なのだろう。


 僕は怯むことなく、前へと進み始めた。

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