表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/138

プロローグ:とある智者のひとりごと

――失うわけにはいかなかった。長年の痛苦に耐えた結果がこれだとは、断じて認めない。


未だ未熟な自身の技術だけで実現は不可能だろう。そもそも一握りの天才だけがたどり着けるものであって、ただの努力では報われない可能性もある。


だとしたら、持ちうる力と伝手にすがって頼るしかない。そうするだけの人脈は築いてきた。だが、それらを集結してもまだ足りないだろう。それでもやるしかない。泣き言を吐く時間は皆無である。


どの世界のどの国にするかは、すでに目星をつけてある。特殊な力を行使でき、病も少なく治安もいい。身分差はあれどもそう大きくなく、この世界と変わらない程度であること。


それらの条件に当てはまるとなると、僅かな数しか残らなかった。


肉体の準備はすでに完了済みである。過去の傷を消し去り、最も万全だった状態に戻している。できればより若返らせたかったが、それでは記憶との不一致から拒絶反応を起こしてしまう。そのことはすでに幾度も証明済みだ。


つまり重きを置く問題は精神面である。こればかりはどう策を練ろうが、確実なことは何も言えない。できれば万能の力を授けたかったが、それはきっと嫌がるだろう。


なにより既に大きな力を持たせた者が居る。同時に二人も施してしまえば、バランスが崩壊する。


目立つことを望まないのは分かり切っているし、この国の在り方にも反してしまうに違いない。泣く泣く加護の付与は諦めた。せめてもと、悟られない範囲で細かい調整を加える。



爆弾のようなものを抱えさせ、たとえ人ならざる存在に成り果てようとも、わずかな可能性にかけよう。


失敗した先が延々なる安寧だとしても、この世界よりは幸せになれると、そう信じて。どうかこの想いが報われますようにと、都合よく祈るしかなかった。


よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ