訓練!! 切り札吉備団子!
ちょっと長めです
前回糞天使像を見つけた俺は⋯
「ふぉふぉふぅふぉふほへふふぃ」
⋯糞天使に拘束されていた、しかも猿ぐつわまでされて⋯⋯
なんてひどいんだ糞天使、何もしてない俺になんてことを⋯⋯
「いや、猿ぐつわはさせてませんし、今私の像壊そうとしてたじゃないですか!」
「⋯ちっ、」
「ちっ、じゃありませんよ!なんで私に濡れ衣を着させようとするんですか!」
「⋯それより、糞天使なんでここにいるんだ?」
「糞天使って⋯私にはアレクサンドラ=ルミナースって名前があるんですよぉ」
糞天使が涙目になってる、少しやりすぎたか?いや、やりすぎてない
「ひどくないです!?⋯⋯まぁいいです、単純に井口誠さん⋯今は桃太郎でしたっけ?⋯が私の神殿にきたので経過を見に来ただけですよ、」
「それだけなら、さっさと帰れ、糞天使」
「本当はそれだけだったんですけど、今桃太郎さんがやってる訓練がすこし厳しいかなぁ、と思ってアドバイスをあげようかなぁって思ってます」
「⋯チートなしで魔王倒せって言ったくせに⋯」
「まあそれはさておき、あなたが今ある手札は何があります?」
糞天使は俺の小言を無視し質問をしてきた
それに俺は正直に答えた
「⋯⋯多少の生活魔法と初歩的な剣術⋯あと小刀⋯」
小刀を持ってるのは今思い出した
「それだけですか?」
「?どういうことだ?」
俺の使える手札はこれくらいしかないぞ?
「⋯⋯え?、本当にわからないんですか?」
「だからどういうことだ?」
まったくもって糞天使のいってる意味がわからない
「⋯はぁ、⋯本当に忘れてるんですね⋯」
「⋯だから⋯」
俺は続けて質問しようとしたが
糞天使はそれよりも早く答えをいった
「能力࿒吉備団子造り」
あ、わすれてた
森のなか一人の老紳士が木剣を片手に散策していた
「⋯桃太郎⋯どこに行ったのだ⋯⋯」
彼、アストレア=アルフォードは弟子であり子供である桃太郎の気配が途切れて数時間が経ってることに少なからず動揺していた
と、その時近くのしげみが揺れ、気配があらわれた
「⋯桃太郎?」
そこに現れたのは土に汚れてたりするが黒髪の少年、つまり桃太郎だった
彼は桃太郎を叱ろうとしたが、桃太郎がとても疲れてる様子だったので叱るのを辞めた
「⋯やっと外出られた、この道教えてくれたことも感謝してやる、糞天使」
「⋯桃太郎、無事だったか。本当に善かった」
「あれ?アスじいちゃん?」
「さぁ、心も体も疲れてるだろう、早くかえ⋯⋯なっ!?」
桃太郎が彼に飛びかかったのだ、
彼は反射的に木剣を振るった⋯剣を振るってしまった⋯⋯
彼が手加減なく振るった剣撃は桃太郎の体を真っ二つに⋯⋯⋯しなかった
桃太郎が寸前の所で剣先を避けていたのだ
しかし彼は驚いた
―なぜお前が避けられる!?―
彼の剣はまだ鍛えはじめてせいぜい一ヶ月ちょっとの桃太郎に避けれるものではないのだ
彼は疑問を桃太郎にぶつけようとしたが、その疑問を問う前に桃太郎の言葉によって、その雑念は消えた
「⋯アスじいちゃん、まだ訓練は終わってないよ⋯俺は今から全力プラスアルファでとりにいく⋯⋯だからアスじいちゃん⋯いや、アストレア=アルフォード全力でかかってこい!」
「承知した!」
彼は桃太郎の若干早口な咆哮に答えた
さっきみたいな感じで煽ってみたけど⋯⋯
「うぉおおおおおおおお!」
結局にげまわってます!
だってアスじいちゃん本気出したら全方位に剣風出してきたんだもん
あの糞天使、何が吉備団子ドーピングしたら勝てるだよ!
俺はそう思いながら同時に糞天使のいってたことを思い出してた
「まさか本当に忘れてたとは⋯⋯気を取り直して能力࿒吉備団子造りの説明をしますね!」
「ぬるってはいるな、ぬるって」
大体吉備団子作ってどうするんだよ
「まさか神様の眷属たる天使から与えられたものが、⋯能力がただの吉備団子作るだけのスキルだと思ってたんですか?」
「お前みたいな糞天使なら当たり前だろ」
「だからひどくないです!?」
「で、そんなこと聞くくらいんだから、何か特殊スキルでもあるのか?その吉備団子」
「はい、その通りです!吉備団子制作スキルで作られる吉備団子は食べた者に何かしらのバフ・デバフ効果あたえるんです」
なるほど幾つか使えば相手を弱体化させつつ、自分を強化し、ボコれるってわけか
「でも吉備団子制作スキルには欠点があって、どんなバフ・デバフ効果をもつ吉備団子がつくれるのかはつくってからのお楽しみってことになるんです」
「ダメじゃん」
ひたすらデバフ効果の吉備団子が出てきたら戦いにもならねえぞ
「そ・こ・で、あなたのステータスの出番です!」
「ステータスぅ?ちょっとまて、俺この世界に転生してからステータスとか聞いたことないぞ」
「まあ、この世界ってステータスがあてにならないところもありますからね。気合いとか意思強さとかイメージの強さで火力上がったりしますし」
「え?そうなの?じゃあ俺も死んでたまるかー!って感じの状況ならすごい必殺技とか出せちゃうわけ?」
「そう簡単なことじゃないですけどね」
「おっしゃ、自分だけの必殺技作ってアスじいちゃんぼこぼこにしたる!」
俄然やる気出てきたーっ!
「まあ、桃太郎さんの現在の魔力量では必殺技レベルは無理ですけどね。ラ○ダーキックとか夢のまた夢で⋯」
突如糞天使に電光、雷が落ちた
「⋯しまっ⋯た⋯、著作権⋯の神罰が⋯⋯」
ちょ、著作権!?
「そうです、著作権です⋯天界に著作権を取り締まる神様がいてですね⋯⋯」
「何かの作品の者を許可もとらずに言ったり技を作ったりしたら雷が落ちるということか、」
「はい、桃太郎さんも気をつけてくださいね⋯⋯⋯⋯⋯、って話が脱線し過ぎました。桃太郎さんあなたのステータスは、すこし変で運値だけ異常に高くて、あのサトウ・カ○マ氏並みかそれ以上あると⋯」
「あ、」
その瞬間再び糞天使に電光、雷が落ちた
さっき自分で気をつけてって言ったばっかなのに⋯
「⋯⋯げふ、げふ⋯まぁ、その異常に高い運値でそのときに役立つ吉備団子が出やすいはずですから、造ってみてください」
「⋯なあ糞天使?」
「何ですか?」
「材料ないぞ?」
そうここには石と草と土と小刀しかないのだ
しかし糞天使は満面の笑みで返答した
「それこそ大丈夫ですよ!」
「材料ないのに吉備団子つくれるのかよ?」
「だって吉備団子制作スキルは魔力から吉備団子を造り出すスキルですから!」
そうして俺は吉備団子を造ってみたが
できた吉備団子は
・敏速強化
⋯能力࿒体の反応が早くなる、つまりはスピードがあがる!ただし通常は思考がついていけない
・思考速度強化
⋯能力࿒思考スピードがあがる、周りが止まって見える、しかし体がついていかない
というものだった
それを見た糞天使が
「やっぱりもってますね!この二つは同時に服用することで互いの弱点を打ち消し合い、結果的に全体のスピードを上げることができるんですよ!⋯⋯いやぁ、魔力少なすぎてまだ2個しか造れないとは思ってませんでしたけど結果オーライです!」
「そんなにすごいのかじゃあ早速⋯」
「ちょっと待ってください!」
できたばかりの吉備団子を食べようとした俺を糞天使が止めた
「吉備団子の能力は永久じゃないんです!だから今食べてアストレア=アルフォードに出会う前に効果が切れたらどうするんですか!?」
そんなことになったらまじで勝てない⋯⋯
「その二つで吉備団子ドーピングしたら勝てます!⋯あとそこの階段を昇れば地上に出られるはずです」
糞天使が指差した先には暗くてみえずらかったが、確かに階段があった
「私は天界から応援してますから、頑張ってください」
糞天使がそういうと、神殿に光が差し込み
糞天使がその光へと歩き始めた
俺は糞天使へと言葉を投げつけた
「糞天使いや、天使アレクサンドラ=ルミナース⋯いろいろありがとうな⋯⋯でもなんでわざわざ来てくれたんだ?ただ俺が神殿に来たからって理由で来たりなんかしないだろ?」
天使が少し微笑み
「⋯名前、覚えてくれてたんですね。⋯単なる気紛れですよ、本当に。」
「そうか」
俺はそれ以上何も天使に話しかけず階段を上りはじめた
「転生者井口誠、この世界の英雄になり得るものよ、これから数多の苦難が待ち受けているでしょうが、決して挫けず、負けず、諦めないでください。そして英雄桃太郎の名に恥じぬ功績を残しますように、天使アレクサンドラ=ルミナースより祝福を込めて」
階段を上りる途中にこんな言葉が聞こえた気がしたが、幻聴だったかもしれない
思い出して、思った⋯
⋯ルミナさん本当に天使だったんだなぁ
桃太郎
・転生者 井口 誠
・能力࿒吉備団子造り
・天使アレクサンドラ=ルミナースの祝福を受けし者
あれ?訓練終わんなかったぞ?なんでだ?
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