手を差しのべたのは⋯
いやー、こんなに遅れるとは思っていませんでした⋯⋯
部活やらなんやら忙しくて⋯⋯ただのいいわけですね
すいません!!
今日はような所々曇があるがここちよい晴れの日で
風も温かくピクニックにしろ運動にしろ、外で過ごしたくなるようないい天気である。
かく言う俺も今外でレースをして、一番前を走っている。
―ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ―
⋯⋯そう⋯⋯
「「「GYAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」」」
ロックアリゲータたちと止まった瞬間死ぬというデスレースをねっ!
「って、そんなこと考えている余裕はねぇええええええ! 《木枯らし》!」
俺は風系統のフォルクスさん直伝技《木枯らし》をロックアリゲータたちにぶつけた!
―フューン―
そんな音がなったがロックアリゲータたちには効かなかったようだ⋯⋯
「やっぱり効かないのね⋯⋯! どうすりゃかてるんっっっ⋯⋯!」
急に走るスピードが落ち、俺は言葉を繋げなかった。
そしてそのまま俺はロックアリゲータの口の中へと⋯⋯
「いってたまるかっ! 木枯らし、ウィンド併用応用技 《スラスト》!」
俺の回りから俺を押すような気流が生まれ、俺はロックアリゲータからかなり離れた、そのまま走り出す。
しかしロックアリゲータはすぐにその距離をつめる。
「俊敏化のきびだんごきれたぁああああ!」
先ほどまでロックアリゲータたちといい勝負をしていたのは、きびだんごによるドーピングの結果であり、自身の足の早さではない。
そして俊敏化のきびだんごはも手持ちにない。
つまり一度距離をとってもそのあとすぐ追い付かれてがぶっ、といかれてしまうのだ。
⋯⋯ロックアリゲータってワニだろ、そんなやつにドーピングしないと追いつかれるとか鈍足ワロタwww⋯⋯
とか思ったそこのお前!お前は自分より大きなワニとであったことあんのか!?何気にむっちゃ足早いぞあいつら!
「そんなこと考えてもいみな⋯⋯うわっ!」
―ビュン、ドカン―
俺の隣を高速でなにかが飛んで行き、その先にあった大木が砕け散った⋯⋯。
後ろを見てみるとロックアリゲータの周りに魔方陣のようなものが浮かんでいる。
「やっば、なんなのあの火力、遠距離攻撃!? チートだチート、いやドーピングしてた俺に言われたくないかもだけど⋯って、追い詰められたぁああああああああああ!?!?」
俺は走り回っているうちに切り立った岩場の目の前に追い詰められたようである。
⋯いや、なにこの子たち、知能高くない?
「わぁああああ、もう終わりだぁああ、最後くらい派手に暴れてやる!」
俺はやけくそでその時持っていた適当な吉備団子を口に放り込んだ。
「よぉーしぃー、じゅぅーんーびぃーでぇーきぃー、ってぇーなぁーんーかぁーおぉーそぉーくぅーなぁーいぃー?」
どうやら俺は鈍足化の吉備団子を食べたらしい。
⋯⋯死んだなこれは。転生してからそこそこ楽しかったしまあいいか。
魔王とチート無しで戦うとか意味不明なことしなくてすむし。
はぁぁ、せめてハーレムくらいは作りたかったなぁ⋯
「このあほうが、何をしておるのじゃ」
フォルクスさんの声が聞こえる、そういやこんなことも言われたっけ。
「おい、しっかりせい。 まだ死んでおらんぞ」
これ死ぬ前にみる走馬灯ってやつかな、にしては映像ながれないけど。
「おーい、聞いておるのか? 返事をせえ」
走馬灯の声を聞いてるうちにロックアリゲータが魔方陣を幾重にも重ね、俺を狙っていた。
―⋯⋯《魔障壁》⋯いや無理だな、鈍足化がかかってる状態じゃ間に合わないし、間に合ったとしてたぶん砕け散る⋯
そんなことを考えてるうちにロックアリゲータの魔方陣が淡く光だした。
魔法の発動だ。
そして俺は死を覚悟した。
「いい加減に話を聞かんかこのばかもんがぁあああああ! 《アクセルショット!!》」
そんな怒号の声と共に空から小さな槍のようなものがロックアリゲータたちに襲い掛かり、血祭りにあげた。
「ふぇ?」
俺だったらね間抜けな声を出し、上空を見上げた。
太陽の光のせいでよく見えないが人影のようだ。
―あれれーこのもりにひとがたのそらとぶまもの、っていたっけなぁ
そんなことをコ○ンボイスで再生しながら目を凝らして見ようとする。
しかし目を凝らせば凝らすほど光が強くなって見えにくい。
「うーん、なんだあ⋯⋯びゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃ⋯!」
俺は突如雷に打たれた。
⋯著作権の神さん、脳内まで干渉してくるってプライバシーとかしらないのかなぁ⋯
倒れふしている俺の目の前にさっきの人影が現れた。
「大丈夫か、ったく主はつよくなりたいのじゃろう? ロックアリゲータくらい一人でさばいたらどうじゃ」
⋯この言葉づかい⋯フォルクスさんだ!
「あ、ありがとうございますフォルクスさん」
「じゃあ野菜をとってかえるのじゃ、はようたて」
「立ちたいのは山々なんですが⋯さっき雷に打たれてしまって立ち上がれません。つれてってください」
「⋯⋯ったく、世話のやける弟子じゃな」
「すいません」
フォルクスさんはマーリン姐さんよろしく魔法で俺をもちあげ⋯⋯
あれ? 普通に持ち上げてる?
そんなわけないか、フォルクスさんの筋力じゃむりだもんな。
そんなことを考えながら隣を見ると⋯
「えっ!?!?!?」
俺は思わず声をあげてしまった。
そこにこの世界では見るはずの無い物があった、いや、いたのだ。
「ぬ? どうしたのじゃ?」
「機甲少女焔の紫電だぁぁああああああ!」
俺は俺を持ち上げている少女に飛び付き、体をまさぐりはじめる。
「ああああ、紫電だ! 機甲少女シリーズの初代、機甲少女焔に出てきた主人公の相棒、紫電だ! まさか転生してから見られるとは⋯」
「ちょ、童やめ、あ、ひっ、いやっ⋯」
「凄い、俺は嫁にあえて猛烈に感激している。 ああ、もっと体感したい。 よしここはあれだな。 ル○ン三世よろしくすっぽんぽんになってフルダぁーイブ!」
なんか雷が俺に落ちてくるが気にしない、俺は嫁のすべてを堪能するため、服を脱ぎ始めた。
上着、シャツ、ズボンと一つずつ確かに脱ぎ、
「桃太郎いっきまーす!」
俺はあのアニメのセリフを吐きながら紫電に突撃した!
―著作権の神罰、超炸裂雷撃!!―
「《フルアクセルショット!!》」
その瞬間、今までの雷の200倍くらいの雷撃と、幾百の金属を体に受け、俺の意識は闇へと落ちていった⋯⋯
二次元は素晴らしい⋯