9/25
9
神沼の手を振り切って、アタシは走り出した。
けれど追ってくる気配は無かった。
ダッシュで学校へたどり着くと、いつもの所に行った。
朝でもここには人がいない。
「ううっ…」
また、貧血だ。
手にもイヤな汗をかいているし、寒気もヒドイ。
風邪だと言って、早退しようかな?
…いや、まだ出席も取っていなかったっけ。
昨日は結局、あのまま眠ってしまい、気付けば放課後だった。
教室には人がいなくて、ほっとして帰れたけれど…。
「まさか家まで来るなんて」
でもハッキリと断った。
だから諦めてくれたのかと思ったのだけど、案外話し合いが必要なのかもしれない。