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低くキレイな声で耳元に囁かれ、すぐに現実に戻る。
「うっウソツキ~! いきなりは止めてって言ったのに!」
力の限り暴れるも、彼は平然としている。
「ゴメンゴメン。何かガマンできなかった」
まっ間近で微笑まないで!
心臓が高鳴る。体が熱くなる…!
「―好きだよ、愛実」
耳にふき込まれた声が、全身を痺れさせる。
「ちょっと…!」
「可愛い反応♪ でもオレだけにしといてね? じゃないと愛実にちょっかい出すヤツ、殺しかねないから」
サーッと勢い良く、血の気が下がった。
ほっ本気だ! 顔を見なくても分かるぐらい、本気を感じ取れる!
「ねぇ、愛実は触られるのがイヤなんだよね?」
「そっそうよ」