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「ねっ、リハビリとして付き合ってみない? 後悔はさせないと思うよ」
床に手までついているアタシに、彼はにこやかに言ってきた。
「どこがリハビリよ。荒治療になりそうなんですけど?」
「かもねー。だって愛実の反応、おもしろいし?」
すでに名前を呼び捨てしている…。
アタシは考えた。
コイツは断ったとしても、何の痛手も受けない。
飽きるまで構ってくるだろう。
飽きるまで…それまでの辛抱だと思えば良いのかもしれない。
彼はアタシが恋愛恐怖症だと分かっているし、付き合い方も考えてくれるかもしれない。
「…じゃあ、いきなり触れてくるのは無しなら、良いわよ」
アタシは観念した。