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図書室は五階にあって、アタシが着いた時にはすでに彼はいた。
「待たせたかな?」
「そんなに」
彼はニコニコと笑顔だ。
でもどことなぁく寒く感じるのは、気のせい?
アタシは深呼吸をして、彼から一定の距離を取って、話し出した。
「あの、ね。昨日言った通り、アタシはまだ誰かと特別な関係になるつもりはないの。だから諦めてくれないかな?」
ここで笑い飛ばしてくれれば、いつもの日常に戻れるはずだった。
自意識過剰だと、言ってほしかったのに…。
「うん、ムリ」
…あっさり却下しやがった。
「なっ何でアタシのこと、好きなの? あなたがアタシの何を知っているの?」
思わず気が立って、こんな言葉が出てしまった。