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アタシはケータイを取り出した。
番号が変わっていないことを願いつつ、ボタンを押した。
『もしもし』
「かっ神沼クン、さっきはゴメンね? ちょっと話があるんだけど、今から大丈夫?」
『いいよ。どこで話そうか?』
どうやらさっきのことは気にしていないみたい。
「じっじゃあ図書室で」
普段、図書室は解放されている。
でも授業中は流石に人はいない。
暗にHRと授業をサボることを言い出しているけれど、彼は、
『分かった。すぐに行くね』
と、すぐに了承した。
彼は真面目で優等生ってワケじゃない。
ちょっと危険なところがあり、そして不真面目な部分もある。