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君と僕の世界

君が望むなら

作者: サキバ

君と僕の世界シリーズ、久しぶりです。

普通に書き方忘れました。

というか勢いに任せ過ぎました。

「私はあなたが望むなら何をしたってもいい」

「僕も同じ気持ちだよ。君が僕に望むなら僕はそれに応えるし、僕は君になんだって望む」


彼女は気がふれたように笑う。僕も似たように笑った。

僕たちの関係はどこまで行ってもきっと褒められたものではなくて、正しいものではないのだろう。それでも僕らはそれが美しいものだと信じている。純粋なものであると知っている。

だから歪んでいてもそれは美しく、汚れて見えてもそれはとても純粋だ。


「じゃあ、あなたは何を私に望むの?」


ひとしきり笑い終えた後に彼女は僕にそう問いかけた。その瞳は先程まで笑っていたせいか潤っていて、それがとても綺麗なものに見える。静かな湖よりもずっと澄んでいる。


「じゃあ君の目が欲しい」


そう言おうとして彼女の目が自分の手の中にあるのを想像してやめた。彼女の瞳は彼女のものでなければいけない。それ単体でも美しいけれど、僕の手に収まったときそれは酷くつまらない物になってしまう。


「君が欲しい」


結局、そんな言葉が出た。彼女がその言葉に何と答えるのかを考えるとわずかに胸が躍った。


「私は既にあなたのものよ」

「なるほど。それもそうだ」


実に当たり前のことのように彼女がそう答えてくれて嬉しくなる。彼女の言葉を心の中で何度も繰り返して満たしていく。素敵な言葉だ。


「じゃあ、君は僕に何を望むの?」


僕は彼女にそう問いかけた。その答えが幸せなものであればいいと思いながら。不幸なものであってもきっと僕は喜んで受け入れるだろうけれど。

急かすように僕は彼女の顔を覗く。彼女はしばらく考え込んでいるようだ。そんな時間が続けばいいと、切に思う。それでも、早く時間が過ぎてしまえというような矛盾した感情も共にある。我ながら違和感だらけだ、と思う。それでも、彼女は僕を愛してくれてそんな彼女を僕は愛すのだ。


「じゃあ、私を抱きしめて。力強くね」


そう言って彼女は両腕を広げた。僕はそれに応えるように彼女を抱きしめた。彼女はここにいる。彼女の体温がそれを教えてくれる。彼女の心臓の音がそれを教えてくれる。胸に当たっている彼女の頭がそれを教えてくれる。僕は彼女をさらに強く抱きしめる。胸に当たる息がくすぐったい。それに構わずにずっとそのままで。背中で彼女が弱々しく力を込めた。自分の存在を残すように。

いつまでそうしていただろうか? 幸せが胸を埋め尽くしていた。


僕らはお互いに歪で、どこかおかしいのかもしれない。間違いだらけなのだろう。

それでも僕は、彼女はそれを認めずいよう。きっと僕らは何一つも間違えてはいないのだち子供のように意地を張ろう。笑い合って生きていよう。

そうやって誰よりも幸せであると認めさせてやるのだ。

こんな風に望むなら抱き合って、愛し合おう。

君が望むなら。それは何よりも幸せなことだ。

面白いと思った方がいたら感想くれるとありがたいです

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