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ざっくりとコメディ系統

補正度数MAXの主人公と邪悪なる化け物

お待たせ致しました。

本日のメインディッシュ、

「10回目記念特別作品」で御座います。

広い荒野の真ん中で男が笑い出す。


「はぁーっはっはっはっはっ!これから世界はァ俺様のものだァ!覚悟しろォ人間どもォー!」


男の姿は何とも禍禍(まがまが)しかった。

紅い髪の頭からは

鬼よりも長く二本の角が生え、

目は獲物を睨むが如く光っていた。

服は着ておらず

皮膚は人間のものではなく代わりに

黒い(うろこ)が身体を覆っていた。

口にはワニの様に牙が生え

爪は如何(いか)なるモノでも

切り裂けそうなほど(するど)い。

つまり(露出狂を除いたら)

典型的な化け物である。


その男から逃げる様に(実際に逃げているが)人々が四方に散っていく。人々は

「わー!」「うわー!」「もー終わりだー!」「オワター!」「マジヤバいっしょ!」と叫んでいた。


荒野の先にはビル街があった。いや、周りを見るところ荒野はビル街の中にある。ビル街の中に荒野が出来たようだ。


そんな世紀末的状況に人々が逃げ出す中、

女が逆方向へつまり男の方へ歩いていた。


女は漆黒の短い髪を持ち角は生えていない。

熱のこもった瞳を男に向けていた。

学生服を着ており皮膚は人間のものである。

口は閉じたままで爪は綺麗に切ってあった。

つまり(その瞳以外は)模範的なJKである。


距離が10mほどになり立ち止まる。


男が女に気付く。


「貴様、誰だ?」


男が問う。


女は透き通った声でテキパキと答えた。


「私の名前は一花(ひとはな) (かおる)。高校2年生。文芸部、幽霊部員。図書委員会、本の整頓係。高校一の読書家で趣味は園芸。特技はいつでも寝れること。容姿端麗、成績優秀、運動音痴。そしてこの物語の主人公よ。」


それを聞いた男が早口で問いた。


「主人公だァ?なめた真似をォ。この俺様を相手に高校2年生の文芸部、幽霊部員。図書委員会、本の整頓係。高校一の読書家で趣味が園芸。特技はどこでも寝れること。成績優秀、容姿端麗、運動音痴の野郎が勝てると思っているのかァ!?」


女は答えず指摘した。


「言い回しが3カ所違っていて、そのうち1カ所が意味すら違っているわ。」


「やかましいわァ!」


男はキレた。


「あ、もう1カ所あったわ。」


女が言った。


「なんだ?」


男はキレていたが聞いてやった。


「私がこの物語の主人公というコトよ。」


女、もとい主人公は不敵に笑ってそう言った。


「そんなこたァどうだっていいんだよォ!俺様を恐れない者は倒してやるゥ!覚悟ォ!」


男は言い終わるなり主人公に飛びかかった。

その瞬間、

男にとても強い向かい風が吹いた。

男はほんの少しだけ前に飛んだだけで

その場に着地した。


「どういうコトだァ?」


男は問う。


男は本来ならば女に飛びかかり殴り倒せるハズの距離を飛んだ。しかし強風によりそれが(はば)まれた。


主人公は答えてやった。


「さっきも言ったでしょう?

私が主人公というコトよ。」


「なにをォ小癪(こしゃく)なァ!!」


男はそう言うなり指を銃の様に構え主人公に標準を向ける。そして指先から三発の光線を放った。


すると今度は強い横風が吹きどこから飛んで来たのか空き缶が3缶飛んできて見事に光線が当たった。


「なァ!?ぐ、偶然だァ!」


男は自分に言い聞かせる様に言う。


主人公は教えてやった。


「そう。偶然よ。ぜーんぶ偶然。でも私が主人公でいる限り偶然は全て私に味方する。」


「ふざけるなァ!!!」


男が黒い煙に包まれていく。

煙はどんどん大きくなり一つの形を作った。

ドラゴンだ。二本足で立つタイプだ。


「これが私の真の姿。これを見たからには貴様を倒すしかあるまい。」


ドラゴンになった男はドラゴンになったからなのか少し口調が変わった。


主人公はただ大きくなったドラゴンを

見上げていた。


「だから?」


主人公はきょとんとした顔で聞いた。


「倒すと言っただろうがァ!!!」


ドラゴンはすぐに口調が戻った。


口調が戻ったドラゴンは胸が膨らむほどに

息を吸い込んだ。

そして思いっきり炎を吐いた。


今度は土砂降りの雨が

ドラゴンの頭上にだけ降り出した。


よって炎は瞬く間に消えてしまった。


「これも偶然だと言うのかァ?!」


ドラゴンは問う。


「そうね。多分、偶然だわ。」


主人公は可哀想なモノを見る目で言った。


「炎がダメならば物理的に倒してやらァ!」


ドラゴンは主人公へ近づこうと右足を前に出した。足元の土はぬかるんでいた。


滑った。


転んだ。


「いってェ!」


ドラゴンは背中を地面にぶつけた。


「その不憫(ふびん)さに敵ながら同情するわ。」


主人公は優しく言った。


「同情するなァ!貴様ァ!絶対に許さんぞ!」


ドラゴンは手をぬかるみに付いて何とか立った。


「私は貴方と話しているだけなのに?」


主人公は正当な論理を唱えた。


「それでもだァ!俺様は貴様が気に食わん!絶対に許さん!」


対してドラゴンは暴論を唱えた。


「分かったわ。じゃあ私は倒される前に貴方を倒しても良いわね。」


ドラゴンにのみ降っていた

土砂降りの雨が()んだ。


「なにを当然なコトをォ!いざ勝負ゥ!」


ドラゴンは主人公に近づこうと

慎重にかつ素早く右足を前に出した。


今度は滑らなかった。


ドラゴンは主人公へ近づいてくる。


対して主人公は近くに転がっていた金属バットを拾いドラゴンに向かって走り出した。


互いが十分に近づくと、

ドラゴンは主人公に拳を振り下ろした。


突然、走っていた主人公が勢いよく滑った。

それでも主人公はバットを離さなかった。


主人公は拳を()けドラゴンの足元にスライディングした。


バットが…


バットがドラゴンの足の小指に当たった。


「 」


ドラゴンは声にならない痛みを叫ぶ。


殴られた痛み、ビンタされた痛み、火傷した痛み、などなど様々な痛みのどれにも属さないのに痛みの最上級に位置するその痛みがドラゴンを襲う。


「あ”あ”ァァァァァァァァァァァァ!!!」


ドラゴンはやっと声を出して叫んだ。


「ぞんな”…バカな…この…俺様が…人間…ごときに…」


そう言い残すと

ドラゴンは黒く光り

闇に吸い込まれるように消えていった。


世界に平穏が訪れたのだ。

楽しんでいただけましたか?


今回は自分自身が

最後まで楽しんで書けたので

読者様も楽しんでくれたら嬉しく思います。


もちろん自分が思った事が他の人、

全員が同じように思えるとは

考えていませんけどねw


これより先はネタバレを含みます故、未読の方は本編を読んでから読んでください。




ドラゴンが小指をぶつけるシーンがありますがココは少しこだわりました。

私、今朝に小指をタンスの角にぶつけてしまいましてね…死ぬかと思いました。あ、安心してください。私は生きてますよ。あの神経そのものを攻撃するあの痛みはもう…ね。


全年齢対象の為、

化け物と主人公には

生死に関わる発言をさせませんでした。

これはポリシーです。

本当にその場面になった時のみ使います。

つまり自分の作品のキャラが

それを言った時は死亡フラグ、

またはそれに準ずるフラグです。

まぁ使うコトはないでしょう。


次に主人公補正についてで御座いますが

皆さんはこんなコトを

思ったコトはありませんか?

「この主人公、補正ありすぎやろ。」

ジャ○プの作品は

この様なものが多いですよね。

ですから私は思いっきり

主人公補正をやりました。

気持ちの良い程にです。


お陰で今、僕の心は

晴れ晴れとしております。

読者様のお心も晴れることを願います。


出来ましたら今後の活動の為、

コメントやレビューによる

ご助言、ご感想、ご指摘などを

お願いします。m(_ _)m


それではみなさん。良い一日を。( ̄^ ̄)ゞ


※誤字脱字はお知らせください。

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