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オモイ  作者: 塩じゃけ
7/7

7

 アッちゃんは話し続ける。


「前々からおかしいと思っていたんだよ! ミーが俺と距離を起き始めて、たまに、何かを言いたそうな目をしていた! それは、お前とミーが付き合っているからなんだろ!? でも、俺に悪いと思って、お前らは黙っていたんだろ!?」


 被害妄想も甚だしい。

 しかし、上手く息が吸えないボクは、いつかのミーちゃんのように、口をパクパクさせる事しか出来なかった。

 アッちゃんは、そんなボクに構わず、話し続ける。


「自分でも親友に嫉妬なんかして、みっともないと思う! けどな! どうして何も言ってくれないんだよ!!」


 そう言うや否や、アッちゃんはこちらに向かって、ゆっくりと近づいて来た。

 当然、靄も一緒にこちらへと向かってくる。

 心なしか、大きくもなっている。

 ボクはアッちゃんの歩みに合わせて、後ずさった。

 黒いソレへの恐怖により、アッちゃんの声を理解することは、最早、できなかった。


「そんなに俺のことが、信用できなかったのか!? 俺だって、お前らが言ってくれれば、自分のことは諦めるさ! それくらいの分別はあるつもりだったのに! お前らは結局、二人して……!!」


 黒い靄はどんどん、周りを覆って行く。

 そして、ボクの方へとーー。
















 ごうごうごう。

 水の流れる音がする。



















 付いたときには、もう遅かった。



「あっ」



 そう言ったのは、どっちだったのか。



 突然の浮遊感に襲われた。



 ボクは、後ろに足を着こうとするが、そこに地面は無く、足は宙を掻いただけだった。



 アッちゃんが手を差し伸べる。



 ボクもアッちゃんの方へ手を差し伸べようとしたが、それは出来なかった。







 真っ黒な糸が。









 ボクに、ボクのーー。















 そして、ボクの意識は黒く塗りつぶされた。
























 ボクがミーちゃんと付き合う?














 そんなことをする訳、ないじゃないか。














 だってね、














 ボクはね、












 ×××はねーー。










 the end


最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

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