表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オモイ  作者: 塩じゃけ
6/7

6

 誰が?

 ボクが。

 誰と?

 ミーちゃんと。

 何だって?



 付き合っているだってーー。




 ボクは絶句した。

 まさかこんな事を言われるなんて。


 二人が両片思いだということを、昔からよく知っているボクには、予想外の問いかけだった。


「わ、た、誰が、ミーちゃんと? そんな訳ないじゃない。どう考えたっておかしいでしょ。だって、ミーちゃんは……」


 そこで、ハッとなった。

 流石にボクがミーちゃんの好意を、アッちゃんへと伝えるのは不味いだろう。

 どう言えば上手く行くのか、あれこれ考えているうちに、痺れを切らせたアッちゃんが言葉を発した。


「確かにな、お前とミーに限ってそんな事は無いと思った。お前には色々と、相談にも乗ってもらっているし」


 アッちゃんはそこで一度言葉を切って、しばらく逡巡していたが、また続きを話し出した。


「でもな、最近おかしいんだよ! お前ら! ミーはなんだか、よそよそしいし! 今朝だって二人だけで出て行ったと思ったら、ミーが顔を赤くして一人で教室に帰って来ていたのを、俺は見たんだよ!!」


 この台詞でボクはピンと来た。

 なるほど。

 アッちゃんはボクに嫉妬していたのだ。

 そんな事はあり得ないのに、恋は盲目、なんてよく言ったものだ。

 全く、馬鹿だなあと思いながら、アッちゃんを見やって、いや、その背後を見て、絶句した。


 肩で息をして、こちらを睨んでいるアッちゃんの背後には、黒い靄が蠢いていた。

 正確には、ソレは靄ではない。

 しかし、実態が分からなくなるほどソレは大きく、そして、禍々しいものだった。


 汗が吹き出す。息が苦しい。

 こんなモノは初めて見た。


 アッちゃんは、もちろんソレには気づかずに、そして、明らかに様子がおかしいボクに気づかずに、話を続けた。

 その目は真っ黒だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ