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フランとメアリー⑥
冷たい声がメアリーから発せられる。
「…ヤれよ。私を犯して気が済むならヤれよ」
無表情で真っ直ぐフランを見つめる。
両手に力が入る。
クソッ…
動く気配がないのを確認したメアリーはゆっくり上体を起こした。
そして何も言わずフランを抱き締める。
フランは目頭が熱くなるのを感じた。
………そして現在に話は戻る。
面白そうにトニーが急かす。
「で?で?どうなった??」
「勢いでキスしたら、一番深い傷を負ってたお腹を思いっきり蹴飛ばされました…
今になってもまだ後遺症で痛みが…」
トニーはぽかんと口を開いている。
「お前やるなぁ…」
「僕だって若かったんですよッ!!」
トニーがニヤニヤして意地悪そうに聞いてくる。
「じゃあ今は?今は?
もしメアリーが、裸で『フラン抱いて♡』って言ってきたら抱くんだろ?」
フラン溜め息をを吐き出しながらつぶやく。
「トニーさん、ほんっとバカなんだから…」
「想像してください。それはもうメアリーちゃんではないですよね?」
「た、確かに…」




