日常②
「こんな生活してて、怖くないか…?」
「そりゃあ恐怖を感じることもあるし……逆に感情が昂ぶって何も感じないこともある。」
続けて話し出す。
「いつ死んでもいいと思ってる」
「は!?」
トニーの表情は悲しみと驚きに満ちていた。
それを見てメアリーは慌てて首を振る。
「命が惜しくないわけじゃないよ!
私だって何年も生きてたくさんの人を救いたい。」
そして子供の頃のことを話し出した。
父親も同じように困っている人を助けていたこと、
母親の反対を押し切り、それに初めて同行した日の出来事。
「盗賊を追い払って帰ろうとした時に、母親と子供が私たちの所に走って来て、
泣きながら『ありがとう』って何回も。
その光景を昨日のことみたいに覚えてる。」
ぱっと笑顔でトニーを見上げるメアリー。
そして嬉しそうに早口で話し出す。
「その時にね、『ああ、もう勝ちだ』って思ったの!
私の1つの命で2つの生命を救えたから、これから先に何が起きても、いつ死んでも、もう勝ちだっ!て。」
少しトーンが落ちる。
「でもやっぱり死にたくはないかな…」
思わず声が出る。
「俺が死なせない!」
驚いて見上げるメアリーと目が合うと、はっと我に戻りしどろもどろになってしまう。
「いや、その、、秘策とかはないんだけど、、
何かしらして、、、どうにかこうにか切り抜けて…」




