フランの憂鬱
時を少し遡り、メアリーとトニーが旅立った日の夜。
フランは一人で酒場にいた。
一緒に行こうと思っていたのに仕事があり出遅れてしまった…
二人で大丈夫だろうか?
今まではメアリーたった一人だったのに、元保安官もいるから一人よりは多少マシなはず…
様子見て帰ってくるだけでいいのだが、、、
心配で気が休まらない。
どんなに酒を流し込んでも酔える気がしない。
『お兄さん、遊んでかない?』
ケバい女が話しかけてきた。
化粧の匂いが鼻を突く。
くさい。
くさいくさい。
ちらと女の方を見る。
胸元が強調されたドレス、長い爪、髪にも手入れが行き届いている。
『あら!お兄さん綺麗な顔してるのね〜!安くしとくわよ!』
うるさいうるさい。
近寄らないでくれ。
本当に化粧の匂いはくさくて嫌いだ。
女たちはなんでこの匂いのキツさに気づかないのだ。
鼻が機能していないとしか思えない。
それに比べてメアリーはすごくいい。
化粧もしないし、真っ直ぐで純粋で可愛らしい。
早くメアリーに会いたい。
今どこで何をしているのだろう。
女がずっと話しかけているが、全然耳に入ってこない。
俺が相手をしないので、女は諦め立ち上がった。
だから呼び止めて、誰もが惚れてしまうような美しい笑顔で教えてやった。
「ここ数日のうちに、背が高くて金髪で長髪の男が来ると思うからその人は相手してくれると思うよ」
女は楽しみ〜と言いながら他の客を探しに行った。




