先住民⑤【メアリー】
上着から薬を出したために警戒され、上着を脱がされ薬も取られた。
トニーも同様に上着を脱がされている。
夜は手首を結ばれたまま横になった。
さすがに夜間は肌寒く感じる。
背中がトニーの背中に触れた。
…温かい。
生きているんだな、私も、トニーも。
どうやってここから逃げ出そうか、トニーだけでも逃がすことはできないだろうか…
トニー…。
巻き込んでしまったな、、、
今回のことが終わったらもう終わらせてやらないと。
向こうも、もう一緒に旅をするのは嫌だと思っているだろう…
いつの間にか眠りについたらしく、気づくと藁の隙間から日差しが差し込んでいた。
赤ん坊は少しは熱が下がったのだろう、穏やかに寝息を立てている。
少女がナイフを持って近づいてきた。
だが、不思議と恐怖はない。
少女の表情や雰囲気から殺気が感じられないからだ。
落ち着いた口調で話し出した。
『なわ、きる。ここ、みんなこないから』
そうか、ここは病気で死ぬ者が集められる部屋として使われており、他の先住民たちは近づかないのか。
だから、私たちの縄を切ってもバレないということか。
昨日の行動で少しは信用してくれたのだろうか。
村に牢がないところを見ると、今まで来てしまった人間たちはすぐに殺されたのだろう。
私たちもいつ殺されるか…




